心霊現象研究協会

心霊現象研究協会 (SPR)

心霊現象研究協会（しんれいげんしょうけんきゅうきょうかい、英: The Society for Psychical Research）は、1882年に設立された非営利団体です。この協会は、心霊主義に関心をもつ幾人かの学者たち、特にケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに所属するフレデリック・マイヤーズを含む3人の学寮長によって創設されました。一般的には「SPR」と略されますが、「心霊研究協会」と訳されることもあります。しかし、本来は「心霊現象研究」を表すPsychical Researchに基づいた名前であり、単なる心霊研究と捉えるべきではありません。

設立と目的

協会の最初の会長には哲学者で倫理学者でもあるヘンリー・シジウィック教授が就任しました。このことから、心霊現象の研究の歴史において「超心理学元年」と称されることがあります。協会の創立目的は、心霊現象や超常現象を科学的に解明し、真相を追究することにありました。

初期段階において、協会の研究は主に6つの分野に分かれていました。それは、テレパシー、催眠術・類似現象、霊媒、幽霊、降霊術に関連する心霊現象、そしてこれらの全ての現象の歴史でした。特に、幻覚に関する全国調査が計画され、協会の活動の一環として注目を集めることとなります。

アメリカでの展開

1885年、アメリカ合衆国においてもウィリアム・ジェームズらの手により米国心霊現象研究協会（ASPR）が設立され、1890年には元のSPRの支部となりました。この団体は、その後も心霊現象の調査と研究において重要な役割を果たしました。著名な支持者たちには、アルフレッド・テニスン、マーク・トウェイン、ルイス・キャロル、カール・ユング、J・B・ライン、アーサー・コナン・ドイル、アルフレッド・ラッセル・ウォレスなどが名を連ねていました。

研究の評価と批判

初期の段階では、協会の会員が異端者視されることも、彼らの研究が擬似科学だと批判されることもありませんでした。協会は、1884年に行われたブラヴァツキー夫人と神智学協会に関連するトリックの暴露で名声を得ました。ただし、この行動は後に協会の公式の動きではなかったと表明されました。設立後の30年間、協会はとりわけ活発な活動を続け、霊媒のトリックを次々と明らかにしていきました。しかし、その活動の結果、アーサー・コナン・ドイルなど心霊現象に賛同していた多くの人々が協会から脱退する事態になりました。

終わりに

心霊現象研究協会は、科学と心霊主義の関わりを体系的に探求した先駆的な団体として、今なお心霊現象研究の分野に影響を与え続けています。今日でも多くの研究者や興味を持つ人々が、彼らの業績や研究成果を受け継いでいくことでしょう。

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