フレデリック・ションバーグ (初代ションバーグ公爵)

初代ションバーグ公フレデリック・ションバーグ

初代ションバーグ公フレデリック・ションバーグ（1615年12月 - 1690年7月11日）は、イングランドの軍人として知られる重要な歴史的人物です。彼の生涯は、国際的な軍事活動と政治的な動向に大きく影響されました。フレデリックは神聖ローマ帝国プファルツ選帝侯領のハイデルベルクで生を受け、貴族の家に生まれました。母が彼が生まれてすぐに亡くなり、父も翌1616年に死去しましたが、フレデリックはプファルツの宮廷で育てられました。

彼の軍歴は三十年戦争の間に始まりました。フレデリックはオランダ軍に入隊し、その後スウェーデン軍やフランス軍にも参加しました。特に、フロンドの乱やフランス・スペイン戦争での活動は彼の名声を高めることとなります。1659年にはフランスによるポルトガル王政復古戦争において、ポルトガル軍と共にスペイン軍と交戦し、いくつかの勝利を収めました。1668年には、ポルトガルの独立に寄与したことでフランス軍中将に昇進しました。

その後、1670年にイングランドとフランスの間で結ばれたドーヴァーの密約により、イングランドへ派遣されてオランダ侵攻軍の指揮を任されましたが、状況は厳しいものでした。幾度かの衝突や敗北を経験したのち、彼はフランスに帰国し、大陸の戦いに戻りました。1675年にはフランス元帥に叙任され、いくつかの勝利を収めていきました。

1685年に発令されたフォンテーヌブローの勅令により、プロテスタントであるフレデリックは迫害に遭い、カトリックへの改宗を拒んで軍を離れました。ルイ14世から特別に引退を許され、ポルトガルで生活しましたが、後に亡命ユグノーのリーダーとして活動し、1688年にはオランダ総督ウィレム3世と共に名誉革命に参加しました。

その結果、フレデリックはイングランド王ウィリアム3世によってッションバーグ公爵に叙爵され、軍の指揮官として再び戦場に戻りました。ウィリアマイト戦争への参加もあり、アイルランドに派遣されることとなりましたが、軍はジャコバイト軍との戦いで劣位に置かれました。彼の指揮のもと、イングランド軍はボイン川の戦いで勝利を収めたものの、彼の息子は戦死の憂き目に遭いました。

フレデリック自身は1690年にダブリンで暮らし、聖パトリック大聖堂に埋葬されました。その後、長男メイナードがメルトラ伯位を、次男チャールズがションバーグ公位を継承しましたが、チャールズが戦死するとメイナードは両方の爵位を引き継ぎました。

フレデリック・ションバーグの功績は、軍人としての活動だけではなく、彼の生涯を通じて多くの歴史的な出来事と絡み合い、彼自身の家族にまで影響を与えました。彼の功績を記念して、1731年には記念碑が聖パトリック大聖堂に建立され、その碑文は著名な作家ジョナサン・スウィフトの筆によるものです。このように、ションバーグ公は歴史に名を刻む存在として今なお記憶されています。

もう一度検索