フロム イエスタデイ

桑田佳祐の軌跡を凝縮したベスト盤『フロム イエスタデイ』

1992年6月27日、桑田佳祐初のベストアルバム『フロム イエスタデイ』がリリースされました。ソロ活動、KUWATA BAND、そしてSUPER CHIMPANZEEと、多岐にわたる桑田佳祐の音楽活動を網羅したこのアルバムは、彼のキャリアにおける重要なマイルストーンとなりました。キャッチコピーは『桑田佳祐をめぐる15の出来事』と、その活動の幅広さを端的に示しています。

アルバムには、ソロデビューシングル「悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)」から、KUWATA BANDの代表曲「BAN BAN BAN」「スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)」そしてSUPER CHIMPANZEEの楽曲まで、1987年から1992年までの代表曲が収録されています。当時CD化されていなかったKUWATA BANDのシングル作品も収録されており、ファンにとって非常に貴重な作品となりました。

ジャケットデザインも特筆すべき点です。表側は象、裏側は鯨という、当時幼児だった桑田佳祐の実子によるイラストがそのまま使用されています。このユニークなジャケットは、アルバムの個性と親しみやすさを象徴する、忘れられないデザインとなっています。

商業的な成功も著しく、1992年7月13日付のオリコン週間ランキングでは最高位2位を獲得し、19週にわたってチャートにランクインしました。累計売上枚数は111.1万枚にのぼり、ソロアーティストとして初のミリオンセラー作品となりました。これは桑田佳祐の圧倒的な人気と実力を証明する大きな成果です。

その後、2001年6月25日には、リマスタリングされたCDが再発売されました。この際のキャッチコピーは『ムスコも大きくなりました』と、ジャケットイラストに関連した、ユーモラスな言葉が使用されました。さらに、2016年にはダウンロード配信、2019年にはストリーミング配信が開始され、現代の音楽リスニング環境にも対応し、幅広い世代に聴かれるようになりました。

『フロム イエスタデイ』は、単なるベストアルバムとしてだけでなく、桑田佳祐の音楽人生の重要な部分を凝縮した、記念碑的な作品と言えるでしょう。楽曲のクオリティはもちろん、ジャケットデザインやリリース戦略、そして商業的な成功など、様々な面から見ても、このアルバムが持つ意義は非常に大きいと言えます。そして、その後のデジタル配信などを通じ、現在でも多くのリスナーに愛され続けている、彼の代表作のひとつなのです。

収録楽曲の詳細については、それぞれのオリジナル収録作品を参照ください。

収録曲（一部）

悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)
BAN BAN BAN (KUWATA BAND)
スキップ・ビート (SKIPPED BEAT) (KUWATA BAND)
* クリといつまでも (SUPER CHIMPANZEE)

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