フロンティア (競走馬)

フロンティア：未開の地への挑戦と、その軌跡

フロンティアは、2015年4月5日生まれの競走馬である。その名は「未開の地」を意味し、その名の通り、競走馬としての道のりは、幾多の試練と挑戦に満ちたものだった。

良血馬としての期待

フロンティアの半兄には、2006年の神戸新聞杯ときさらぎ賞を制した重賞ウイナー、ドリームパスポートがいる。この血統背景から、フロンティアもデビュー前から大きな期待を集めていた。サンデーレーシングによって一口60万円、全40口という条件で募集され、その募集パンフレットには「馬体バランスは高水準」「マイル適性が高そう」と記され、高い能力が予感されていた。育成を経て、栗東トレーニングセンターの中内田充正調教師の厩舎に入厩した。

華々しいデビューと重賞制覇

2017年7月1日、中京競馬場での新馬戦（芝1600メートル）でデビュー。川田将雅騎手を鞍上に、単勝オッズ2.8倍の1番人気に支持された。スタートから積極的にハナを奪い、逃げの戦法でレースを進めた。最後の直線ではアドマイヤアルバに迫られたものの、半馬身差で勝利を収め、デビュー戦を飾った。
続く8月27日、新潟競馬場で行われた新潟2歳ステークス（GIII）では、岩田康誠騎手とのコンビで挑み、単勝オッズ7.2倍の3番人気に推された。このレースでもスタートからハナを奪い、先行集団の一角を担いながらレースを進めた。直線ではコーディエライトやテンクウを交わし、見事な末脚で勝利を収めた。2連勝で重賞初制覇という快挙を達成した。岩田騎手は「最後しぶとく長く脚を使ってくれた」とフロンティアの走りを称賛し、「距離は延びても大丈夫」と将来性を高く評価していた。

しかし、その後は伸び悩む

デイリー杯2歳ステークスでは1番人気を裏切り4着に敗れ、朝日杯フューチュリティステークスでも8着と振るわなかった。翌年もファルコンステークスで3着に入るものの、これが最後の馬券圏内となる。NHKマイルカップ（GI）では13着と大敗。以降は重賞やオープン競走に出走するも、中京記念（GIII）、バーデンバーデンカップ（OP）、リゲルステークス（L）での4着が最高成績となり、勝ち星を挙げることはできなかった。

引退と第二のキャリア

2020年8月30日、朱鷺ステークス（L）で9着に敗れた後、後ろ脚の歩様が悪くなったためX線検査を受けた。その結果、左側の骨盤に骨折線が確認され、骨盤骨折が判明した。惜しまれつつも、競走馬としてのキャリアに幕を閉じることとなった。9月4日付でJRAの競走馬登録を抹消され、引退後は乗馬として第二のキャリアを歩み始めた。

フロンティアは、短いが華々しいデビューと、その後試練に満ちた競走生活を送った。重賞勝ちという輝かしい実績を残した一方で、競争の厳しさを味わうことも少なくなかった。それでも、その力強く、そして繊細な走りで多くのファンを魅了したことは間違いないだろう。未開の地への挑戦は、多くの記憶と感動を残して幕を閉じた。

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