フージーズ

フージーズ (The Fugees)

フージーズは、1990年代半ばにアメリカで人気を博した3人組のヒップホップグループです。ワイクリフ・ジョン、ローリン・ヒル、プラーズの3人で構成され、ヒップホップを基盤に、ソウルやレゲエといったカリブ音楽の要素を融合させた独自の音楽性が特徴です。

グループ名は「難民 (refugee)」に由来し、ワイクリフ・ジョンとプラーズはハイチにルーツを持ちます。ローリン・ヒルはニュージャージー州出身です。

来歴

デビューアルバム『ブランテッド・オン・リアリティ』は、コアなファンを満足させるには至りませんでしたが、続く2ndアルバム『ザ・スコア』は1996年に記録的な大ヒットを達成しました。

フージーズの音楽的特徴として、意外性のあるカバーや斬新なサンプリングが挙げられます。『ザ・スコア』には、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「ノー・ウーマン、ノー・クライ」やロバータ・フラックの「やさしく歌って」のカバーが収録されています。また、エンヤの「ボアディケア」を無断サンプリングした「レディ・オア・ノット」では、ザ・デルフォニクスの楽曲を再解釈しました。この楽曲は訴訟問題に発展しましたが、最終的にエンヤへのクレジット表記と著作権使用料の支払いで和解しています。

1997年、グラミー賞では『ザ・スコア』がベストアルバム賞、「キリング・ミー・ソフトリー・ウイズ・ヒズ・ソング」がベストR&Bグループ賞を受賞しました。

その後、フージーズはソロ活動を優先するようになります。ローリン・ヒルはソロアルバム『ミスエデュケーション』で高い評価を得ました。ワイクリフ・ジョンは、キャニバスやデスティニーズ・チャイルドなど、様々なアーティストのプロデュースを手掛けながら、ソロアルバムを発表。プラーズも映画のサウンドトラックに参加するなど、それぞれがソロとして成功を収めました。

ソロ活動の成功とともに、グループとしての活動は困難になっていきました。メンバー間の不仲も噂されましたが、真相は不明です。

再結成

2004年、デイブ・チャペルのブロックパーティでのコンサートで、フージーズは再結成を果たしました。カニエ・ウェストやモス・デフなど、豪華な面々が参加したこのコンサートでのパフォーマンスは高い評価を受け、特にローリン・ヒルがアカペラで歌い上げた「キリング・ミー・ソフトリー」は絶賛されました。

2005年には、BET音楽賞で12分間のパフォーマンスを披露し、新アルバムの制作も噂されましたが、リークされた楽曲「テイク・イット・イージー」は評価が分かれました。同年にはヨーロッパツアーも行われましたが、その後グループとしての目立った活動はありませんでした。

2021年9月、フージーズはアルバム『ザ・スコア』の25周年を記念したアリーナツアーで再び再結成することを発表し、9月22日にはニューヨークでシークレット公演を開催しました。

フージーズは、ヒップホップの歴史において重要なグループであり、彼らの音楽は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

ディスコグラフィ

アルバム

外部リンク

フージーズ オフィシャル
* ローリング・ヒル オフィシャル

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