キオガ湖

キオガ湖

ウガンダ共和国の中央部に位置するキオガ湖は、東アフリカを縦断する大地溝帯の一部をなす湖です。水面標高は約914メートルに位置し、その面積は約1,720平方キロメートルと広大ですが、同時に非常に浅いという特徴を持っています。

地理的には、アフリカ最大の湖の一つであるヴィクトリア湖と、その下流に位置するアルバート湖の間にあり、白ナイル川の上流部を構成しています。この湖はウガンダ国内の行政境界としても機能しており、北西部のランゴ地方、北東部のテソ地方、南東部のブソガ、南西部のブガンダといった各地域の境目に位置しています。キオガ湖に流入する主要な水源の一つはヴィクトリア湖からの流れですが、その水量はヴィクトリア湖畔のジンジャにあるナルバーレ水力発電所によって調整されています。また、ウガンダとケニアの国境にそびえるエルゴン山からの河川も湖に注ぎ込んでいます。広大なアフリカ大湖沼地帯の一部でありながら、キオガ湖自体は通常、アフリカ大湖沼のリストには含まれていません。

キオガ湖の特筆すべきはその浅さです。最も深い場所でも水深は約5.7メートルに過ぎず、湖の大部分は水深4メートル未満となっています。特に水深が3メートルに満たない水域は、水面がほぼ完全にスイレンによって覆われています。湖岸部では、カミガヤツリや、生育力の強い外来種であるホテイアオイが広く見られます。さらに、パピルスが形成する小さな浮島が湖面を漂っている様子も見られます。湖の北西にあるクワニア湖とは、水位が上昇した際に水域が一体化することがあります。

この湖は豊かな生態系を育んでおり、46種類の魚類が確認されています。また、多数のナイルワニが生息する場所としても知られています。湖周辺の湿地帯には、特徴的な湿地性のアンテロープであるシタツンガも生息しています。キオガ湖の南東部に位置するナクワ湖の一部は、その生物多様性や生態的な重要性から、2006年にラムサール条約湿地に登録されました。

キオガ湖は過去に自然災害によって大きな影響を受けました。1997年から1998年にかけて、エルニーニョ現象に伴う異常な降雨によって湖の水位が著しく上昇しました。この水位上昇により、巨大化したカミガヤツリの浮島やホテイアオイの群落が湖から剥がれ落ち、白ナイル川への流出口を塞いでしまいました。排水路が閉塞された結果、湖の水位はさらに上昇し、周囲約580平方キロメートルという広大な範囲が浸水被害を受けました。この災害は、多くの周辺住民が避難・移住を余儀なくされるなど、地域社会と経済に深刻なダメージをもたらしました。事態を改善するため、2004年にはエジプト政府からウガンダ政府に対し、流出経路の浚渫などの復旧工事費用として1,300万ドルの資金援助が行われています。

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