ブックマークレット

ブックマークレット：ブラウザを拡張する小さなプログラム

ブックマークレットとは、ウェブブラウザのブックマークに登録して使用する、小さなJavaScriptプログラムのことです。ユーザーはブックマークをクリックするだけで、プログラムを実行できます。この手軽さから、Webページの機能を拡張したり、作業効率を向上させるために広く利用されています。

ブックマークレットの機能と仕組み

ブックマークレットは、JavaScriptコードによって様々な機能を実現します。例えば、Webページのテキストを強調表示したり、特定の要素を非表示にしたり、ページ内のリンクをすべて新しいタブで開いたりといった操作が可能です。

さらに高度な機能としては、外部サーバーとの連携も挙げられます。ブックマークレットがユーザーのブラウザ上で実行された後、Web APIなどを介してサーバーサイドのアプリケーションと通信し、データの送受信を行うことができます。例えば、Webページ上の情報をサーバーに送信して処理を行い、結果をブラウザに表示するといったことが可能です。

ブックマークレットの歴史

ブックマークレットの誕生は、ウェブブラウザ上で動作するプログラムの必要性から生まれたと言えるでしょう。以前はJavaアプレットが用いられることもありましたが、Java実行環境のインストールが必要だったりと、利用の敷居が高かったのです。

Netscape 2.0でJavaScriptの`void`演算子が実装された1995年が、ブックマークレットの可能性を示した重要な時期と言えます。その後、1998年にはSteve Kangas氏によってbookmarklets.comが立ち上げられ、様々なブックマークレットが公開されるようになりました。このサイトを通じて「ブックマークレット」という名称が定着していったと考えられています。

Web 2.0時代の到来とともに、ブックマークレットはさらに普及しました。ブログへの投稿、ソーシャルブックマークへの登録など、様々なWebアプリケーションとの連携が可能になったためです。例えば、Movable Typeやdeliciousといったサービスでは、ブックマークレットを使って記事の投稿やブックマークの登録が容易に行えました。

しかし、複雑な処理やサーバーからの継続的なデータ受信には向いていなかったため、ツールバーなどの他の手段と併用されることもありました。また、ブックマークへの登録という手順が、初心者にとってはハードルとなる面もありました。その結果、より手軽なソーシャルボタンなどが普及するようになりました。

モバイル環境においても、ブックマークレットは重要な役割を果たしました。PDAや携帯電話など、コピー＆ペースト機能が制限されていた端末では、ブックマークレットが機能を補完する手段として利用されました。

ブックマークレットの設置方法

ブックマークレットの設置は非常に簡単です。一般的には、ブックマークレットのJavaScriptコードをURLとして、ブラウザのお気に入りに登録するだけです。一部のサービスでは、ボタン形式のブックマークレットが提供されており、それをドラッグ＆ドロップで設置することもできます。

ブックマークレットの使用例

ブックマークレットは、様々な場面で活用できます。以下は、いくつかの使用例です。

リンクなしのURLをクリッカブルにする: テキスト形式で表示されているURLを、クリック可能なリンクに変換します。
ブログへの記事投稿: ワンクリックでブログ記事を投稿するブックマークレットを作成できます。
ソーシャルブックマークへの登録: Webページを簡単にソーシャルブックマークサービスに登録できます。
Webページの特定要素の強調表示や非表示: Webページの見やすさを向上させるためのカスタマイズに利用できます。
* ページ内の画像をすべてダウンロード: ページ上の画像を一括でダウンロードするブックマークレットなども存在します。

まとめ

ブックマークレットは、小さなプログラムながらも、Webブラウザの機能を拡張し、作業効率を向上させる強力なツールです。その手軽さと汎用性から、今後も様々な場面で利用されていくでしょう。

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