ブッシュ (DD-529)

駆逐艦ブッシュ（USS Bush, DD-529）

ブッシュは、アメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦の一隻であり、1812年の米英戦争で戦死したウィリアム・シャープ・ブッシュ中尉にちなんで名付けられました。その艦歴は、1942年に遡ります。

艦歴の始まり

ブッシュは1942年2月12日にカリフォルニア州サンフランシスコでベスレヘム・スチール社によって起工され、1942年10月27日にマリオン・ジャクソンによって命名・進水しました。艦長W・F・ピーターソン中佐の指揮の下、1943年5月10日に正式に就役を果たします。

戦闘任務の展開

「ブッシュ」は、就役後すぐにアラスカ海域での偵察や護衛任務に従事しました。1943年の7月29日から11月27日には、アラスカでの活動を行った後、12月4日に真珠湾に到着しました。その後、エリス諸島やニューギニア、フィリピン、沖縄など、太平洋各地での任務に投入され、火力支援や護衛作戦を繰り広げました。

特に記録されているのは、ビスマルク諸島でのグロスター岬の戦いとニューブリテン島上陸、さらにはアドミラルティ諸島への侵攻やレイテ島での上陸作戦など、多くの重要な戦闘に参加したことです。これらの作戦を通じて、ブッシュは艦の機能と乗組員の能力を最大限に発揮しました。

沖縄戦での奮闘

1945年4月、沖縄戦においてはレーダーピケット任務に従事し、特攻機からの攻撃を受ける場面も多々ありました。特に4月6日には、3機の特攻機がブッシュに接触し、右舷上甲板への衝突があり、艦内で爆発が発生しました。この影響で艦は大きく損傷しましたが、乗組員は冷静に対応しました。

しかし、その後も特攻機の攻撃が続き、エンジン室や艦体の中心部において大規模な爆発が発生し、ブッシュは沈没する運命を辿りました。ついには、艦の放棄が命じられ、227名の乗組員が救助される一方で、87名が艦とともに失われました。

戦功と評価

ブッシュは、このような過酷な戦闘を経て、第二次世界大戦において7個の従軍星章を受章しました。その戦闘の精神力と役割は、アメリカ海軍の駆逐艦の中でも高く評価されています。

ブッシュの艦歴は、数多くの戦局において重要な役割を果たし、戦争の流れに影響を与えました。彼女の活躍は、海軍の歴史にしっかりと刻まれており、将来の世代へと語り継がれるでしょう。

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