ブラウン・ボベリ

ブラウン・ボベリ（Brown, Boveri & Cie.）

ブラウン・ボベリ（Brown, Boveri & Cie.、略称: BBC）は、かつてスイスに存在した、世界的に知られる電機メーカーでした。1891年にスイスのバーデンで創業し、発電機、変圧器、鉄道システムといった、重電機器分野でその名を馳せました。特に、鉄道車両、蒸気タービン、そしてそれらに関連する機器の開発・製造に強みを持っていました。

幅広い事業展開

創業当初から、ブラウン・ボベリは技術革新を重視し、発電機や変圧器といった電力インフラに欠かせない製品を数多く生み出しました。その技術力は、鉄道分野にも及び、電気機関車やその他の輸送機器の開発・製造も手掛けるようになりました。また、蒸気タービンの分野でも高度な技術を有しており、発電所向けの大型タービンも製造していました。これらの製品は、世界中の電力供給や鉄道輸送を支える上で重要な役割を果たしました。

日本との関係

ブラウン・ボベリは、日本とも深い関わりを持っていました。特に、1920年代には、日本の鉄道事業者が同社製の電気機関車を輸入し、使用していたという歴史があります。その技術力の高さから、日本の鉄道の近代化に貢献しました。以下に、日本に輸入された主な機関車を記します。

国鉄ED12形電気機関車: 国鉄に導入された初期の電気機関車の一つです。
国鉄ED41形電気機関車: ED12形に続き、国鉄の電化を支えた機関車です。
国鉄ED54形電気機関車: より高性能な電気機関車として、幹線での運用に用いられました。
吉野鉄道電機1形電気機関車: 私鉄である吉野鉄道（現在の近鉄吉野線）に導入された機関車です。

これらの機関車は、当時の日本の鉄道技術水準を向上させる上で、重要な役割を果たしました。

ABBグループへの統合

ブラウン・ボベリは、1988年にスウェーデンの電機メーカー、アセア社（ASEA）と合併し、ABBグループとして新たにスタートしました。この合併は、グローバル市場での競争力を強化することを目的として行われました。ABBグループは、現在も世界有数の重電機器メーカーとして、電力、産業オートメーション、ロボティクスなど、幅広い分野で事業を展開しています。

まとめ

ブラウン・ボベリは、その高度な技術力と革新的な製品で、世界中の電力・輸送インフラの発展に大きく貢献した電機メーカーでした。特に、日本においては、同社製の電気機関車が鉄道の近代化を支え、技術交流を通じて、その後の発展にも影響を与えました。合併後も、ABBグループとしてその技術と精神は受け継がれ、グローバル社会の発展に貢献し続けています。

外部リンク

* History - ABB

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