ブラクストン・ブラッグ

ブラクストン・ブラッグの生涯と軍歴

ブラクストン・ブラッグ（1817年3月22日 - 1876年9月27日）は、アメリカ陸軍の軍人で、南北戦争時には南軍の大将として多くの戦闘の指揮を執った。彼の生涯は成功と失敗が入り混じったものであり、その影響は現在においても議論の対象となっている。

初期の生い立ちと軍歴

ブラッグはノースカロライナ州ウォレントンで生まれ、著名な政治家であり後のアメリカ連合国の司法長官でもあるトマス・ブラッグの弟として知られる。家庭環境は決して恵まれたものではなく、母が刑務所に入っていた影響で子供時代は辛苦を経験した。1837年、ブラッグは陸軍士官学校を卒業し、第3アメリカ砲兵隊の少尉として任命される。セミノール戦争や米墨戦争での活躍により昇進を重ね、大尉、少佐、中佐として名誉を得た。

ブラッグはその厳格な性格と規則への従順さで知られ、部隊内ではしばしば兵士との間に対立が生じていたという逸話も残っている。特にメキシコでの戦争中には、彼に対する暗殺未遂が何度も起こったが、いずれも無事に乗り越えた。

南北戦争の指揮官としてのキャリア

南北戦争が始まると、ブラッグは連合国の指揮官として頭角を現し、最初はルイジアナ州民兵隊の少将となり、その後南軍の准将に昇進する。特にフロリダ州ペンサコラを指揮した際には、自部隊の訓練を徹底し、名声を得る。1862年にはミシシッピ軍の指揮官として任命され、南軍の歴史で7人しかいない大将に昇進した。

ブラッグはミシシッピ州における軍の指揮を執っており、シャイローの戦いでは戦局を有利に進めるも、その後の撤退を余儀なくされた。特に彼の行動はしばしば批判の対象となり、指揮における判断ミスが多く見られた。1863年にはテネシー軍の指揮を行い、軍を北へと進めるが、結果的に北軍へ大きな損失を与える一方で、彼自身の信頼も失っていく。

チカマウガの戦いとその後

1863年、ブラッグはチカマウガの戦いで南軍の大勝を収め、これが南北戦争西部戦線での最大の勝利とされる。しかし、その勝利の後、ブラッグの指揮能力は再び疑問視される。各部隊の指揮官との関係は悪化し、いくつかの反乱の兆しも見え始めた。それにもかかわらず、ブラッグは勝利の余韻を利用して内部の敵を排除しようと試みる。

終戦後の人生

戦争が終わった後、ブラッグはニューオーリンズの浄水場の監督官として仕事をし、後にテキサス州で鉄道監査役としての職務に従事した。1867年に不慮の事故により死亡し、彼の死は多くの伝説を生むこととなる。彼の墓はモービルのマグノリア墓地にある。

記憶と遺産

ブラッグの軍歴はさまざまな評価を受けており、彼の戦術的思考はしばしば批判される一方、その組織力やリーダーシップ能力は一定の評価を受けている。ノースカロライナ州にあるフォート・ブラッグ基地やカリフォルニア州のフォート・ブラッグなど、彼の名が残る地名も存在し、アメリカの歴史において重要な役割を果たした人物として記憶されている。

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