ブラザーフッド (ニュー・オーダーのアルバム)

ニュー・オーダーが1986年に発表した4作目のオリジナルアルバム『ブラザーフッド (Brotherhood)』は、バンドのキャリアにおいて重要な位置を占める作品です。ファクトリー・レコードからリリースされ、全英アルバムチャートで最高位9位を獲得するなど商業的にも成功を収めました。

このアルバムは、ニュー・オーダーの音楽性を多角的に示す、バラエティに富んだ楽曲群で構成されています。キャッチーなメロディーとダンサブルなリズムが特徴的な楽曲から、実験的なサウンドを取り入れた楽曲まで、幅広い音楽性を聴くことができます。特にシングルカットされた『ビザール・ラヴ・トライアングル (Bizarre Love Triangle)』は、大きな話題を呼びました。シェップ・ペティボーンによるリミックスバージョンは、全米ビルボード誌のクラブ・プレイ・チャートで最高位4位を獲得し、世界的なヒットとなりました。この曲は、ニュー・オーダーを代表する楽曲の一つとして、現在でも高い人気を誇っています。

『ブラザーフッド』には、『パラダイス (Paradise)』、『ウェイ・オブ・ライフ (Way of Life)』、『オール・デイ・ロング (All Day Long)』など、多くの魅力的な楽曲が収録されています。これらの曲は、いずれもニュー・オーダーの音楽性を象徴する、洗練されたサウンドと、独特の世界観を持つ楽曲です。

アルバムの制作には、ニュー・オーダーのメンバー自らが作詞、作曲、編曲、プロデュースを担当しました。エンジニアリングはマイケル・ジョンソンが、写真撮影はトレヴァー・キーが、デザインはピーター・サヴィルがそれぞれ担当しています。それぞれの分野のプロフェッショナルの協働によって、完成度の高い作品に仕上がっています。

日本でのリリースに関しては、複雑な経緯があります。1986年の初リリースは日本コロムビアからでしたが、その後、ファクトリー・レコードの破産とニュー・オーダーのロンドン・レコードへの移籍により、1993年にはポリドール（現ユニバーサルミュージック）から再リリースされました。この再リリース盤には、シングル『ステイト・オブ・ザ・ネイション (State of the Nation)』が追加収録されています。

『ブラザーフッド』は、ニュー・オーダーの音楽的進化を示すだけでなく、1980年代後半の音楽シーンを代表する作品の一つとして高く評価されています。その洗練されたサウンドと、時代を超越した魅力は、現在でも多くのリスナーを魅了し続けています。多様な楽曲群と、高い音楽性、そして複雑なリリースの歴史を持つ『ブラザーフッド』は、ニュー・オーダーの作品の中でも特に重要なアルバムの一つと言えるでしょう。様々な音楽要素の融合と、高い完成度によって、時代を超えて愛される名盤としての地位を確立しています。

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