ブラジル独立

ブラジル独立：帝国の誕生

ブラジル独立は、ポルトガル王国の植民地であったブラジルが、ポルトガル・ブラジル及びアルガルヴェ連合王国から分離し、ブラジル帝国として独立するまでの1821年から1823年の出来事を指します。ブラジルの独立記念日は9月7日です。

ブラジルの起源

1500年3月、ポルトガルの艦隊司令官ペドロ・アルヴァレス・カブラルが来航し、ブラジルが発見されました。ポルトガル人は、ブラジルを探検する過程で、トゥピ＝グアラニー語族の先住民と遭遇しました。彼らは土地を争ったり共有したりしていました。

1532年、最初の植民地が建設されました。1534年、ジョアン3世は領域を15のカピタニアに分割し、12名のカピタンに土地使用権と統治権を与えました。1549年には植民地全域の総督支配を認可しました。ポルトガルは先住民を同化させましたが、長期の戦争と伝染病により死滅していきました。

16世紀半ばまでに、砂糖がブラジルの主要な輸出品となり、1700年までに96万3千人以上の黒人奴隷がブラジルに送られました。ブラジルに送られた奴隷の数はアメリカ大陸のどの地域よりも多かったのです。

フランスとの戦争を通じて、ポルトガルは徐々に領域を広げ、1567年にリオデジャネイロを獲得、1615年にはサンパウロを得ました。アマゾンに遠征軍を派遣し、イギリスとオランダの植民地を征服、1699年に村落と要塞を建設しました。1680年代にはラプラタ川沿岸にサクラメント植民地を建設しました（現ウルグアイ）。

17世紀の終わりには、砂糖の輸出が減少し始めましたが、1690年代にミナスジェライスで金が発見され、植民地は没落から救われました。

スペインはトリデシリャス条約によってスペインに帰属する地域への進出を阻もうとしましたが、1777年の第一次サン・イルデフォンソ条約の結果、ポルトガルが拡大してきた植民地の領域が確定しました。

連合王国への道

ブラジルは、当初は副王支配のポルトガル領でしたが、1646年にブラジル公国に格上げとなり、ブラジル公はポルトガル王の推定相続人の爵位の一つとなりました。

1809年、ナポレオンのフランス帝国がポルトガルに侵攻すると、ポルトガル女王マリア1世、摂政王子ジョアン、および1万5千人の貴族がイギリス艦隊の護衛を受けてリオデジャネイロに避難しました。1815年にナポレオンが没落すると、ジョアン6世はブラジルでの生活に満足し、帰国をためらいました。ポルトガル本国からの要請を受け、ジョアン6世はブラジル公国をポルトガル王国と対等のブラジル王国とした上で、同君連合「ポルトガル・ブラジル及びアルガルヴェ連合王国」を成立させました。しかし、1820年にポルトガルで自由主義革命が起こると、ジョアン6世は帰国を余儀なくされました。王太子ペドロを摂政に任命し、ブラジル統治を委ねました。コルテスでは、ブラジル王国の植民地への格下げが議論され、これがブラジル独立の原因となりました。

独立への道のり

1820年に自由主義革命が勃発し、コルテス（制憲議会）が開催されました。コルテスは国王ジョアン6世の帰国を要求しました。ジョアン6世は1821年3月7日に王太子ペドロを摂政に任命し、4月26日にヨーロッパへ向かいました。ペドロはブラジルに残り、ブラジルの内政、外交、安全保障、金融財政の問題に取り組みました。

ブラジルのポルトガル軍司令本部は、ポルトガルの立憲主義に共感していました。ジョルジェ・デ・アヴィレス将軍は王太子に、王国と財政の大臣のブラジルからの追放を強いました。1821年9月30日に、コルテスはブラジル地方政府をポルトガルに劣後させる布告を可決しました。ペドロ王太子は「リオデジャネイロ州知事」に転落し、ヨーロッパ帰還を命令されました。ブラジル在住者のコルテスの対策への不満は高まりました。

ブラジルの主権を弱体化させるコルテスの行動に反対する2つのグループが現れました。フリーメイソンの支援を受けたジョアキム・ゴンサルヴェス・レド率いる自由主義派と、ジョゼ・ボニファチオ・デ・アンドラダの率いるボニファチオ派です。両派はポルトガルと連合した国を維持しようとしました。

アヴィレスの反乱

ポルトガルのコルテス代表者は王太子に対して敬意を払わず、ペドロの忠誠心は徐々にブラジルの反乱へとシフトしていきました。妻マリア・レオポルディナはブラジル人を支持し、ペドロにブラジルに留まるよう促しました。1822年1月9日、ペドロは「国民みなの幸福のためになるなら、人々に留まると言う準備はできている」と答えました。

ペドロのコルテスに逆らう決定の後、ジョルジェ・アヴィレスに率いられた軍がカステロの丘に集結しましたが、ブラジル軍に包囲されました。ペドロはポルトガルの総司令官を退け、軍の撤退を命じました。

1822年1月18日、ジョゼ・ボニファシオは国務大臣並びに外務大臣に任命され、ペドロとの親密な関係を築きました。ゴンサルヴェス・レドと自由主義者は、ペドロに「ブラジルの永遠の守護者」の称号を提案しました。ペドロは自由主義者の要求を容認し、1822年3月3日にブラジル制憲議会の代議員選挙の開催を布告しました。

独立帝国へ

ペドロは8月25日にサンパウロに到着し、9月5日まで滞在しました。9月7日にリオデジャネイロに戻る途中、コルテスがボニファシオ内閣の全ての法律を破棄し、彼の保有していた全ての権限を剥奪したことを知りました。

ペドロは叫びました。「友よ、ポルトガルのコルテスはわれらを再び奴隷にしようとしている。今日より、われらの関係は破れた。いまや何物にも縛られていはいない。」

ポルトガルの象徴である白と青の腕章を外し、「独立万歳、自由とブラジルの分離独立万歳！」と叫び、剣を抜いて「わが血、わが栄光、わが神を、私はブラジルの自由に与えることを誓う。独立か死か！」と誓いました。

これは「イピランガの叫び」として記憶されています。1822年9月7日夜にサンパウロに到着すると、ペドロと随員はブラジルのポルトガルからの独立を公言しました。ペドロはブラジル王、ブラジル皇帝と呼ばれました。9月17日、リオデジャネイロ自治政府の首長は他の自治政府に、10月12日の記念日にAcclamationが起きた知らせを送りました。翌日には、新しい国旗と国章が制定されました。

公式な分離独立は、ペドロが書いた書簡がジョアン6世に届いた1822年9月22日に発生しました。1822年10月12日、ペドロは「立憲皇帝、ブラジルの永遠の守護者ドン・ペドロ1世」を名乗り、ブラジル帝国におけるペドロの治世が始まりました。

1822年12月1日、ペドロは戴冠し、聖別されました。

独立戦争

ブラジルとポルトガルとの間の戦争は、1822年2月から1823年11月まで続きました。陸戦と海戦は、双方とも常備軍と市民兵が関与しました。新たに創設されたブラジル陸軍、ブラジル海軍には、外国からの移民を含むブラジル人が入隊を余儀なくされました。

海では、トマス・コクランがブラジル軍を率いてポルトガル海軍を一掃し、ポルトガル陸軍を孤立させました。22か月におよぶブラジル独立戦争の死者は両軍合わせて5,700から6,200と見積もられています。

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