ブラック・タイガー (プロレスラー)

ブラック・タイガー：暗闇の虎の系譜

新日本プロレスにおいて、初代タイガーマスクのライバルとして登場したブラック・タイガー。その黒を基調とした虎の覆面は、多くのプロレスファンに強烈な印象を与えました。本稿では、歴代のブラック・タイガーの活躍や、その正体、そして彼らを取り巻く様々な出来事を詳しく解説します。

初代からの系譜：外国人レスラーが担ってきた伝統

1982年、蔵前国技館でのデビューから始まったブラック・タイガーの歴史。初代は、卓越したレスリング技術を持つ外国人レスラーでした。無尽蔵のスタミナと巧みな試合運びで初代タイガーマスクを幾度となく苦しめ、ジャーマン・スープレックスへのカウンターとして繰り出す足への攻撃や、ロープワークを駆使したドロップキックは、彼の代名詞となりました。得意技は「ツームストーン・パイルドライバー（暗闇脳天落とし）」でした。

2代目以降も、そのほとんどは外国人レスラーがその役割を引き継ぎました。2代目は、3代目タイガーマスクとのライバル関係というよりも、新日本のジュニアヘビー級戦線における強豪外国人選手としての地位を確立。獣神サンダー・ライガー、ワイルド・ペガサス、ディーン・マレンコらと並び、「ジュニア・フォー・ホースメン」と呼ばれるほどの活躍を見せました。得意技は「BTボム（ブラック・タイガー・ボム）」です。

3代目は、メキシコのCMLLから参戦したレスラーで、新日本の流れとは異なる経歴を持ちます。ケンドー・カシンのパートナーとしてデビューし、活躍しました。得意技も「BTボム（ブラック・タイガー・ボム）」でした。

4代目は、2005年に東京ドームでデビュー。2009年には4代目タイガーマスクとのIWGPジュニアヘビー級選手権で、マスカラ・コントラ・マスカラ戦（マスクを賭けた試合）に臨み敗北、正体を明かすことになりました。得意技は「ツームストーン・パイルドライバー（暗闇脳天落とし）」と「ブラック・タイガー・スープレックス」でした。

5代目以降と、ブラック・タイガーを名乗るレスラーたち

5代目は、4代目タイガー襲撃から始まりました。マスカラ・コントラ・マスカラ戦で敗北し、マスクを剥がされました。その後も様々な団体で活動しましたが、正体については不明瞭な点が多く残されています。得意技は「デスバレー・ボム」でした。

6代目は、石井智宏が一時的にマスクを被った存在であり、ブラック・タイガーというリングネームは名乗っていません。4代目タイガーとのマスカラ・コントラ・マスカラ戦で敗北しました。

7代目は、2012年にデビュー。全身タイツ状のコスチュームが特徴で、正体も不明瞭です。「BTドライバー（ブラック・タイガー・ドライバー）」を得意技としました。

8代目は、2021年に登場。4代目ブラック・タイガーを襲撃し、TEAM FILTHYに加勢しましたが、正式な試合は行っていません。

9代目は、2022年に全日本プロレスに登場。コスチュームは5代目と酷似しており、同一人物説も存在します。

その他の「ブラック・タイガー」たち

ブラック・タイガーの名を冠するレスラーは、他にも存在します。マスクド・タイガー、ブラック・シャドー、リアル・ブラック・タイガー、シン・ブラック・タイガー、タイガー・ザ・ダークなど、様々なレスラーがブラック・タイガーのマスクを被り、活躍しました。

アニメとの繋がり

ブラック・タイガーは、1970年代初頭のテレビアニメ『タイガーマスク』にも登場。ビッグ・タイガーやキング・タイガーと共に、虎の穴の刺客としてタイガーマスクの前に立ちはだかりました。ただし、アニメ版のデザインは、黒い覆面ではなく、通常の虎の覆面を被った黒人レスラーでした。

まとめ

数々のレスラーがその正体を秘匿しながら、受け継いできたブラック・タイガー。その歴史は、新日本プロレスの歴史、そしてプロレス界全体の変遷を反映していると言えるでしょう。今後も、新たなブラック・タイガーが登場し、その伝説を紡いでいくかもしれません。

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