ブラック アンド ブルー (2019年の映画)

映画『ブラック アンド ブルー』詳細解説

『ブラック アンド ブルー』（原題: Black and Blue）は、2019年に公開されたアメリカ合衆国のアクション映画です。監督はデオン・テイラーが務め、主演はナオミ・ハリスが担当しました。この映画は、退役軍人の経験を持つ新人警官が、汚職が蔓延する警察組織と、地元犯罪組織の陰謀に巻き込まれていく姿を描いています。

あらすじ

主人公のアリシア・ウェストは、退役軍人として故郷ニューオーリンズに戻り、警察官として新たな生活をスタートさせます。ある夜、アリシアは初めての夜勤で先輩警官ディーコンと組むことになりますが、ディーコンは新人のアリシアに対してよそよそしい態度を取ります。通報を受けて現場に急行した際、ディーコンはアリシアを待機させ、単独で建物内に入ります。しかし、直後に銃声が響き、ディーコンの身を案じたアリシアはボディカメラを装着して建物内に侵入します。そこで彼女が目撃したのは、ディーコンと2人の刑事（テリーとスミッティ）が、麻薬売人のゼロを射殺する衝撃的な場面でした。テリーはアリシアに状況を説明しようとしますが、ボディカメラの存在に気付いたスミッティは、アリシアを銃撃してしまいます。アリシアは地下に転落するも、防弾ベストとゴミのおかげで命を取り留めます。無線で本部に連絡しようとするも妨害され、建物から逃走したアリシアは助けを求めますが、治安の悪い地域に住む人々は警察を信用せず、彼女を助けようとはしません。テリーは汚職警官たちにアリシアの捜索を指示する一方、地元の犯罪組織のボスであるダリウスに、ゼロを射殺したのはアリシアだと告げます。ダリウスは怒り、組織総出でアリシアを追うことになります。

絶体絶命の状況に陥ったアリシアでしたが、疎遠になっていた旧友のマイロ・ジャクソンが、彼女に救いの手を差し伸べます。マイロの雑貨店で身を隠した後、彼の家で匿われている間に、アリシアはボディカメラに汚職警官たちの悪事が記録されていることに気付きます。アリシアはその映像を頼りに、反撃を開始します。

キャスト

アリシア・ウェスト: ナオミ・ハリス (種市桃子)
アフガニスタンでの軍務経験を持つ新人警官。事件を目撃したことで追われる身となる。
マイロ・ジャクソン: タイリース・ギブソン (竹田雅則)
アリシアの旧友で、あだ名は「マウス」。黒人差別に偏見を持つ警察を嫌っている。
テリー・マローン: フランク・グリロ (志賀麻登佳)
麻薬課の刑事で、麻薬の横流しをしている。アリシアを追う。
ダリウス・トゥロー: マイク・コルター (山本格)
地元犯罪組織のボスで、テリーたちと繋がっている。甥の仇としてアリシアを追う。
ケヴィン・ジェニングス: リード・スコット (平修)
アリシアの相棒で、マローンの汚職を知っている。
スミッティ: ボー・ナップ
麻薬課の刑事で、テリーの相棒。
ミッシー: ナフェッサ・ウィリアムズ
ダリウスのところに身を寄せているアリシアの旧友。
ディーコン・ブラウン: ジェームズ・モーゼス・ブラック
ベテラン警官で、アリシアの先輩。テリーたちの仲間。
* テズ: フランキー・スミス

製作

この映画は、2017年8月21日にスクリーン・ジェムズがピーター・A・ダウリングの脚本『Exposure』の映画化権を獲得したことから始まりました。2018年8月にはデオン・テイラーが監督に起用され、12月10日には正式タイトルが『Black and Blue』に決定し、ナオミ・ハリスの出演が発表されました。2019年1月には、フランク・グリロ、リード・スコット、ボー・ナップ、マイク・コルター、ナフェッサ・ウィリアムズなどの出演も決定。主要撮影は2019年1月16日から2月28日に行われました。音楽はジェフ・ザネリが担当しています。

公開と評価

2019年6月24日にオフィシャルトレイラーが公開され、同年9月21日にはアーバンワールド映画祭でプレミア上映されました。公開初週末には、アメリカ国内で837万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキングで初登場6位となりました。しかし、批評家からの評価は賛否両論で、Rotten Tomatoesでは批評家支持率が47%、Metacriticでは加重平均値が53/100となっています。CinemaScoreはA+と高い評価を得ていますが、批評家からは「時事問題を単純化して扱っている」という指摘もされています。

この映画は、アクション映画としてのエンターテイメント性と、現代社会における警察の汚職や人種差別といった社会問題を組み合わせた作品として、観客に様々な視点を与えています。

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