ブラバム・BT22

ブラバム・BT22：F1世界選手権を駆け抜けた名車

ブラバム・BT22は、1966年のF1世界選手権に参戦したレーシングカーです。設計を手掛けたのは、才能溢れるデザイナー、ロン・トーラナック。このマシンは、その革新的な設計と高いポテンシャルで、F1の歴史に名を残す一台となりました。

開発：フォーミュラ・リブレからの進化

BT22のルーツは、フォーミュラ・リブレ用の車両であるBT11Aに遡ります。トーラナックは、BT11Aをベースに、更なる性能向上を目指して開発に着手しました。その過程で、優れたハンドリング特性で知られるBT19からサスペンションジオメトリーを流用するという重要な設計思想が取り入れられました。

当初、2台のBT11AがBT22に改造され、1965年にはジャック・ブラバム自身の手によって、ノンタイトル戦に投入されました。このテストを経て得られた貴重なデータは、BT22の完成度を高める上で大きく貢献しました。その後、1966年にはF1世界選手権に参戦。4戦を戦い抜きました。

ワークスチームから払い下げられたBT22は、その後も活躍の場を世界へと広げます。南アフリカF1選手権やタスマンシリーズといった、様々なレースシーンでその性能を遺憾なく発揮しました。また、スコットランドの顧客向けに新車が1台製造され、後にニュージーランド人ドライバーのジム・パーマーがタスマンシリーズでドライブしました。

性能と特徴：BT19を受け継ぐハンドリング

BT22は、BT19譲りの優れたサスペンションジオメトリーを備えていました。これは、高速コーナーでの安定性と、ドライバーの意図に忠実な操縦性を両立させる上で重要な要素でした。また、シャシーの剛性も高く、ドライバーに高い信頼感を与えました。エンジンやその他のメカニカルコンポーネントに関しても、当時最高の技術が惜しみなく投入され、高い戦闘力を誇りました。

F1での戦績：ワークスチームの活躍とプライベーターの挑戦

F1世界選手権において、BT22はワークスチームの主力マシンとして活躍しました。ドライバーの技量とマシンのポテンシャルが融合することで、数々の好成績を残しました。一方、ワークスチームから払い下げられたマシンは、プライベーターの手によって様々なレースシリーズで活躍し、その耐久性と信頼性の高さを証明しました。

まとめ：ブラバムの技術を凝縮した名車

ブラバム・BT22は、フォーミュラ・リブレの技術を基盤に、F1という最高峰の舞台で戦えるように進化を遂げたマシンです。BT19の技術を受け継ぎ、高い信頼性と操縦性を実現。ワークスチームのみならず、プライベーターにも愛用され、その存在感を示しました。その活躍は、ブラバムチームの技術力の高さを象徴するものであり、F1の歴史に大きな足跡を残した一台と言えます。BT22は、単なるレーシングカーではなく、時代を彩った名車のひとつとして、これからも語り継がれていくでしょう。

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