ブラバム・BT45

ブラバム・BT45：潜在能力と信頼性の狭間を駆け抜けた名車

ブラバム・BT45は、1976年から1978年にかけて、ブラバムF1チームが使用したフォーミュラ1マシンです。設計を手掛けたのは、数々の名車を世に送り出した天才デザイナー、ゴードン・マレー。BT45は、アルファロメオ製の水平対向12気筒エンジンを搭載していました。このエンジンは、圧倒的なパワーを誇った一方で、重量が大きく、燃費も悪かったことが特徴です。さらに、信頼性にも問題を抱えており、完走率は50％を下回ることもありました。

1976年シーズン：苦闘の始まり

1976年シーズンは、アルファロメオとの新たなエンジン供給契約の下でスタートしました。しかし、マシンの信頼性不足は大きな壁となり、チームはわずか9ポイントを獲得するにとどまり、コンストラクターズランキングでは9位という結果に終わりました。

1977年シーズン：表彰台を掴むも、悲劇がチームを襲う

1977年シーズンも、信頼性の低さは改善されませんでしたが、ドライバー陣の活躍によってチームは光明を見出します。ジョン・ワトソンとホセ・カルロス・パーチェがそれぞれ2位に入賞するなど、マシンのポテンシャルの高さを示しました。しかし、シーズン中盤、パーチェが飛行機事故で悲劇的な死を遂げます。その後、ハンス＝ヨアヒム・スタックがチームに加わり、2度の3位入賞を果たすなど、チームは持ち前の実力を発揮。この年の獲得ポイントは27に増加し、コンストラクターズランキングでも5位と、前年を大きく上回る成績を収めました。

1978年シーズン：BT46へのバトンタッチ

1978年シーズン、BT45は開幕戦のアルゼンチンとブラジルグランプリのみに投入されました。ニキ・ラウダを擁し、アルゼンチンGPでは2位、ブラジルGPでは3位と好成績を残しました。しかし、その後はBT46へとバトンタッチされ、BT45の活躍は幕を閉じました。

BT45の評価

ブラバム・BT45は、強力なアルファロメオエンジンを搭載しながらも、その信頼性の低さが足を引っ張ったマシンでした。しかし、潜在能力は高く、ドライバー陣の優れたドライビングスキルによって、幾度となく表彰台に上る活躍を見せました。その戦闘力と、マシンの開発にまつわる様々なエピソードは、F1の歴史において重要な1ページを飾るものと言えるでしょう。信頼性という大きな課題を抱えながらも、持ち前のポテンシャルを遺憾なく発揮しようとしたBT45は、まさに潜在能力と信頼性の狭間で戦い抜いた、勇敢なマシンだったと言えるのではないでしょうか。

F1における全成績

(詳細な成績表は、参考資料を参照ください。)

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