ブラモス (ミサイル)

ブラモス：露印共同開発の超音速巡航ミサイル

ブラモス（BrahMos）は、ロシアとインドが共同で開発した超音速巡航ミサイルです。その名PJ-10 ブラモスは、ロシアの対艦ミサイル「P-800 オーニクス」（NATOコードネーム：SS-N-26）をベースに開発が始まりました。

概要

ブラモスの最大の特徴は、マッハ2-3という高速での飛翔能力と、高い命中精度を両立させている点です。このミサイルは、陸上、海上、空中、そして潜水艦といった多様なプラットフォームからの発射に対応しており、その汎用性の高さが際立っています。

構造としては、固体燃料ブースターと液体ラムジェットエンジンを組み合わせた推進システムを採用。このうち、コンピュータと誘導システムはインドが設計を担当し、推進システムはロシアが提供するという役割分担がなされています。射程距離は約300km、弾頭重量は約450kgと公表されています。

ブラモスは、インド海軍の艦艇に搭載されることが検討されているほか、Su-30MKI フランカーHのような航空機からの発射も可能とされています。2003年2月12日には、ラージプート級駆逐艦「ラージプート」で発射試験が実施され、2019年にはインド空軍のSu-30MKIからの発射に成功したことが発表されました。さらに、2019年8月には、インド海軍が沿岸防衛のためにブラモス地対艦ミサイル部隊を配備する計画が明らかにされました。2020年1月20日には、インド空軍の第222飛行隊が初めてブラモスを装備する飛行隊となり、運用能力の向上が図られています。

テストの歴史

ブラモスの開発においては、数多くの発射実験が実施され、その性能が検証されてきました。

2001年6月：発射実験、成功。
2002年4月：発射実験、成功。
2003年2月12日：ベンガル湾での発射実験、成功。
2003年10月29日：東部オリッサ州での発射実験、成功。
2005年12月1日：Baleswarから15km離れたChandipurの射場での11度目の試射、成功（実戦仕様のミサイルと移動式の指揮管制装置と発射機を使用）。
2008年12月18日：ベンガル湾の艦上からの発射実験に成功。
2009年1月20日：ラージャスターン州での発射実験に成功。
2010年12月2日：東部オリッサ州沖ベンガル湾の艦上からの発射実験に成功。
2011年12月9日：バルト海で行われた発射実験が成功。インド海軍向けに建造されているフリゲート艦から発射。
2019年：インド国防省が地上設備とSu-30MKIからのブラモス発射に成功したと発表。

これらのテストを通じて、ブラモスの信頼性と実用性が確認されています。

関連項目

巡航ミサイル
空対艦ミサイル
艦対艦ミサイル
YJ-91/KR-1
* ASM-3 - 日本が開発した超音速空対艦ミサイル

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