ブリュールのアウグストゥスブルク城と別邸ファルケンルスト

ブリュールのアウグストゥスブルク城と別邸ファルケンルスト

ドイツのノルトライン＝ヴェストファーレン州、ブリュールに位置するアウグストゥスブルク城と別邸ファルケンルストは、1984年にユネスコの世界遺産に登録されました。これら二つの壮麗な建物は、美しいシュロス庭園によって結ばれており、当時の文化と芸術を今に伝える貴重な存在です。

歴史

アウグストゥスブルク城は、18世紀初頭にケルン大司教であり選帝侯であったクレメンス・アウグスト・フォン・バイエルンによって建設されました。当初、ヨハン・コンラート・シュラウンに建築が委ねられ、元々この地にあった中世の城を再建する形で質素な宮殿が建てられました。しかし、1727年からはフランソワ・ド・キュヴィイエが再改築を手がけ、現存する華麗なロココ様式の宮殿へと生まれ変わりました。特に、バルタザール・ノイマンが手がけた階段室は、その豪華さで訪れる人々を魅了します。

庭園は、バロック様式のシュロス庭園としてドミニク・ジラールによって設計されました。ジラールは宮殿と別邸の南側に美しい花園を配置しましたが、1800年代にはフリードリヒ・ヴィルヘルム4世の命によりペーター・ヨセフ・レンネが風景式庭園へと変更しました。その後、1933年には1750年の計画に基づき、ロココ様式への復元が開始されました。1876年から1877年にかけては、ヴィルヘルム1世の依頼により大規模な改修が行われ、皇帝自身もこの城を宮殿として使用しました。第一次世界大戦後、城は国家の管理下に入り、第二次世界大戦では大きな被害を受けました。

ファルケンルストは、1729年から1740年にかけて鷹狩り用の宮殿としてキュヴィイエによって建設されました。この別邸は、ケルン大司教の東洋趣味を反映しており、ロココ様式とシノワズリが見事に融合した独特の空間を作り出しています。

1994年まで、アウグストゥスブルク宮殿はドイツの大統領が国賓をもてなすためのレセプション・ホールとして使用されていました。

登録基準

アウグストゥスブルク城と別邸ファルケンルストは、以下の世界遺産登録基準を満たし、登録されました。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

これらの基準が示すように、アウグストゥスブルク城と別邸ファルケンルストは、ロココ建築の発展における重要な交流を示し、人間の歴史における重要な時代を例証する建築様式を代表する優れた例として評価されています。

もう一度検索