ブリーム

ブリーム（欧鯿、鯽）

ブリームは、学名を Abramis brama とし、英語では carp bream や bream と呼ばれるコイ科の淡水魚です。この魚はヨーロッパの様々な河川、湖、そして用水路に広く生息し、漁業の対象ともなっています。特にこの魚は、豊かな生態系を持つ淡水域で見かけることが多いです。

分布

ブリームは主にヨーロッパの淡水域に分布しており、特にアルプスやピレネー山脈の北部やバルカン半島にその生息域があります。また、アイルランドやイベリア半島、イタリアにも導入されており、アジアの黒海、カスピ海、アラル海周辺でも見られます。このように、ブリームは広範囲に知られる魚種です。

形態

体長は通常30-55センチメートルほどまで成長し、最大で75センチメートルに達することもあります。体重はおおよそ2-4キログラムです。特徴的な体形は左右に平べったく、体高が高めで、口は下向きについているのが特徴です。体の色は銀灰色を基本とし、透き通った水域では年齢を重ねた魚が銅色に変わることもあります。鰭はさほど色付かず、灰色から黒色を呈します。

この魚はシルバーブリーム（Blicca bjoerkna）と外見が非常によく似ていますが、鑑別方法として背鰭の鱗の枚数を数えることが挙げられます。ブリームは通常、側線に向かって11枚以上の鱗が確認できる一方、シルバーブリームは10枚以下です。

生態

ブリームは河川の下流域や、藻類と泥が豊富な湖沼ほか、河口の汽水域に生息します。これらの環境では、豊富な藻類や水生植物が生息しており、彼らの食性にも影響を及ぼしています。

食性

底生の魚として群れを作り、通常は夜間に岸辺で食べ物を探します。水底にはユスリカの幼虫、イトミミズや貝類などの餌を掘り出すため、顎を使って地面を掘る様子が見られます。また、水草やプランクトンも餌として利用しています。これらの特性は、生息環境の変化や食物の供給に応じて変化します。

繁殖

ブリームの繁殖は、主に4月から6月にかけて行われることが多く、水温が約17℃の時期に最も活発になります。雄は繁殖のために縄張りを作り、雌は水生植物に10万から30万個の卵を産みつけます。卵からは3〜12日で仔魚が孵化し、その後は水草に付着して過ごします。

仔魚は初め細身ですが、成長とともに成魚に近い形になります。浮遊性の稚魚は、徐々に水底で生活するようになり、性成熟には約3〜4年を要します。

このように、ブリームは多様な生態や特徴を持っており、その魅力的な生態は釣り愛好家や生物研究者にとって興味深い対象となっています。引き続きその生態系の理解を深めていくことで、環境保護や漁業資源の管理に役立つことでしょう。

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