ブルガン油田

ブルガン油田は、1938年にクウェート南部で発見された巨大油田です。確認されている原油埋蔵量はおよそ600億バレルと推定され、サウジアラビアのガワール油田に次ぐ、世界第2位の規模を誇ります。1946年に商業生産が開始されて以来、クウェートは世界の主要な産油国としての地位を確立しました。

発見当時、その途方もない巨大さから世界の原油市況への影響を懸念し、油田の規模に関する情報が一時的に伏せられたという逸話があります。この油田の発見により、クウェートは第二次世界大戦後しばらくの間、世界最大の原油埋蔵量を誇る国となりました。

ブルガン油田の生産量は、生産調整によって変動しますが、上限はおよそ180万バレル/日程度とされています。サウジアラビアのガワール油田とは異なり、現在でも原油が地表に自噴するため、生産が非常に容易であるという特徴があります。これは、ブルガン油田が巨大油田でありながら、効率的な原油生産を可能にしている要因の一つです。

しかし、ブルガン油田は湾岸戦争において甚大な被害を受けました。1991年の湾岸戦争時、イラク軍によってブルガン油田をはじめとするクウェートの石油施設が攻撃され、国内9つの油田で合計30億バレルの原油が失われました。この被害は、クウェートの石油産業に深刻な影響を与え、復旧には長い年月を要しました。

ブルガン油田の発見以前、サバーハ家のムバラク大首長は、1913年にはすでに油田の兆候に気づいていたようです。1913年10月27日にインド総督に宛てた手紙の中で、ブルガンに見られるビジネスチャンスについて触れています。この事実は、ブルガン油田の開発が、クウェートの歴史において重要な転換点であったことを示唆しています。

ブルガン油田は、クウェート経済にとって非常に重要な存在であり、その動向は世界のエネルギー市場に大きな影響を与えます。油田の維持と管理、そして将来のエネルギー需要への対応が、クウェートにとって重要な課題となっています。

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