ブルターニュ (戦艦)

戦艦ブルターニュ：フランス海軍の悲劇

戦艦ブルターニュは、フランス海軍が誇るプロヴァンス級戦艦の一隻として、その生涯を第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて駆け抜けました。この艦は、その壮麗な姿とは裏腹に、悲劇的な最期を迎えたことで知られています。

起工から就役まで

ブルターニュは、1912年7月1日にブレスト海軍工廠で起工されました。1913年4月21日に進水し、1915年9月に就役しました。主砲には新設計の34cm(45口径)砲が採用され、この砲は後のノルマンディー級戦艦にも搭載される予定でした。連装式の砲塔に収められ、艦の前方に2基、後方に2基、そして中央部に1基が配置され、これにより前後方向に4門、左右方向に最大10門の砲を向けることができました。

改修と性能

1921年から1925年にかけて、ブルターニュは重油専焼缶への換装が行われました。さらに、1932年から1934年にかけての大規模な改修では、新型ボイラーが搭載され、出力は43,000馬力に向上しました。しかし、速度は21ノットから23.4ノットへとわずかに増加したに過ぎませんでした。それでも、同盟国の同世代の超弩級戦艦の速力が21～24ノットであったため、艦隊行動における問題はありませんでした。

戦間期の活動と特殊任務

ブルターニュは、両大戦を通じて主に地中海で活動しました。特筆すべきは1940年3月に命じられた特殊任務です。この時、ブルターニュは1200本の金の延べ棒を積み、地中海のツーロンからカナダのハリファックスへ回航する任務に就きました。これは、フランスがイギリスやアメリカから物資を輸入するための代金として使用される予定のものでした。重巡洋艦アルジェリーと共に大型駆逐艦3隻に護衛され、この重要な航海を遂行しました。

メルセルケビール海戦：悲劇的な最期

1940年、フランスがナチス・ドイツに降伏すると、ブルターニュはメルセルケビールへ移動しました。イギリスは、フランス艦隊がナチス・ドイツの手に渡ることを恐れ、1940年7月3日、巡洋戦艦フッド、戦艦ヴァリアント、戦艦レゾリューションからなる艦隊で攻撃を仕掛けました。この攻撃により、ブルターニュは4隻の戦艦の中で最も早く行動不能に陥りました。航行を始める前から命中弾が相次ぎ、艦の後部から沈み始めました。火達磨となったブルターニュは、戦闘開始からわずか13分後の5時9分、突然爆発を起こして転覆しました。この戦闘で、1190名の乗員のうち977名が命を落としました。この犠牲者数は、真珠湾攻撃でのアメリカ戦艦アリゾナの犠牲者数1300名に次ぐ規模であり、フランス海軍史上最大の悲劇として記録されています。

その後

ブルターニュは1952年に引き揚げられ、その後スクラップとして廃棄されました。

関連項目

フランス海軍艦艇一覧

外部リンク

Profile drawing of the battleship Bretagne (HTML)

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