ブルマァク

株式会社ブルマァクの歴史

株式会社ブルマァクは、1969年に東京都内で設立された日本の玩具メーカーであり、主に怪獣人形で知られています。設立当初、ブルマァクは破産したマルサン商店の元社員たちによって経営されており、彼らが周囲の市場変化を敏感に察知し、再び怪獣ブームを起こす可能性を秘めていました。

設立と初期の展開

創設者の一人である鐏三郎は、1966年に円谷プロダクションが放送した『ウルトラQ』の怪獣ソフビ人形の企画を手がけた人物であり、その発想が「怪獣ブーム」の火付け役となりました。ブルマァクの社名は、力強さをイメージして選ばれた「ブル」から派生し、中国占師の助言を基に「ブルマァク」と名づけられました。

当初、怪獣ブームは過ぎ去った時期であり、技術のない電動玩具やブリキ製の乗り物を製造する戦略を取っていました。しかし、再放送が始まった『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』をきっかけに、子供たちの間で怪獣玩具が再び人気となりました。鐏はこの波に乗り、マルサン時代の金型を用いてソフビ人形の生産を再開しました。

怪獣ブームの到来

1970年、円谷プロが新たな番組『ウルトラファイト』を放送し、ブルマァクの売上は急増しました。鐏は独自の販促方法として、商品の袋に新聞サイズの写真カタログを同封し、消費者の視認性を高めるなどして販路を拡大しました。このような地道な努力が実を結び、特に円谷プロとの連携を強化することで、新たな怪獣ブームを再興しました。

特に、『帰ってきたウルトラマン』が放送される1971年以降、ブルマァクはウルトラシリーズ商品のリリースに注力し、様々なソフビ人形、玩具等を市場に投入しました。この時期には、独特なデフォルメや鮮やかな色彩で子供たちの心を掴む商品が数多く登場しました。しかし、尻尾の長い怪獣は製造上の問題があったため、尻尾が短いデザインに変更されることもありました。

成熟と逆境

ブルマァクは怪獣シリーズだけでなく、円谷作品のキャラクター商品や、他社の怪獣映画キャラクターのソフビ人形も多数展開し、時代のニーズに対応しました。しかし、無版権商品が流出することにより、売上の低下が進み、経営は厳しい状況に追い込まれました。

1973年には『トリプルファイター』の単独スポンサーとなるものの、経済的な圧迫や番組の人気低迷が影響し、とうとう業績は悪化の一途をたどりました。次第に、視聴率低下とコスト高騰は、経営の重しとなり、1975年の『ウルトラマンレオ』の終了と共に「怪獣ブーム」も薄れていきました。

倒産とその後

1977年、ブルマァクは倒産を迎えました。この時期、消費者の嗜好が変わり、価格競争なども影響し、他社製品との競争が熾烈であったことが挙げられます。しかし、1990年代のレトロブームにより、当社のソフビ人形は復刻され、再び多くのファンに受け入れられています。

今日では、ブルマァクブランドとして復元された玩具が再び市場で人気を博しており、過去の名作が新たな形でファンの元に届けられています。

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