ブルーエンジェルス

ブルーエンジェルス（Blue Angels）

ブルーエンジェルスは、アメリカ海軍に所属するアクロバット飛行隊で、正式名称はアメリカ海軍飛行デモンストレーション飛行隊（U.S. Navy Flight Demonstration Squadron）です。フロリダ州ペンサコーラの海軍航空基地を本拠地にし、通称「ブルーズ（Blues）」として親しまれています。パイロットは、海軍や海兵隊の中から選ばれ、世界的に有名なアクロバット飛行チーム、サンダーバーズと長年にわたりライバル関係にあります。

歴史

ブルーエンジェルスは、1946年4月24日にチェスター・ニミッツ提督の指示で設立されました。その後、同年6月にジャクソンビル海軍航空基地にて最初のデモンストレーションが行われました。当初は、グラマンF6Fヘルキャットを用いた3機編隊の飛行が中心で、特に「ダイヤモンド編隊」が有名です。その後、体制を整え、様々な編隊飛行を通じて多くの観客を魅了してきました。

1949年からはジェット機であるF9F-2パンサーに移行し、航空展示のスタイルを進化させました。ただし、1950年に始まった朝鮮戦争の影響で一時活動が停止します。活動再開後は新たに再編成された部隊でF9F-5パンサーが使用され、1956年にはカナダ・トロントでの海外公演も果たしました。

機材の変遷

ブルーエンジェルスの使用機材は、1950年代から1970年代にかけて何度も変わりました。1957年にはF11F-1タイガー、1969年以降はF-4JファントムIIが採用され、その後1974年にはA-4Fスカイホークを運用開始。1986年にはF/A-18ホーネットの運用が始まり、その後も機材の更新が続いています。

現在はF/A-18E/Fスーパーホーネットを使用しており、メンバーたちは特製の青い飛行服を着用して演技を行います。また、サポート機としてC-130ハーキュリーズも運用され、これにより輸送支援や前座飛行など多様な役割を果たしています。

パフォーマンスと技術

ブルーエンジェルスのデモンストレーションは、緻密な飛行技術と迫力ある演技が特徴です。多くの演目は混成編隊や単体飛行を組み合わせたもので、観客に息をのむような体験を提供しています。これらのパフォーマンスはアメリカ国内だけでなく、国際的にも注目され、年間70回以上のショーを行う実績があります。これまでに2億6,000万以上の観客が彼らの飛行を目にしています。

名前の由来

ブルーエンジェルスという名称は、1946年にニューヨークで創設された初期のチームによって名付けられました。彼らがニューヨーク・マガジンに掲載されていた「ブルーエンジェルズ・ナイトクラブ」の名前に影響を受けたことから、この名称が誕生しています。

現在の活動

近年では、観客への情報発信を重視し、地上展示や特別なアトラクションを設けるなど新しい試みを行っています。また、フライオーバーや特別イベントへの参加も行い、海軍への入隊を促進する役割も担っています。今後もブルーエンジェルスの活動に期待が寄せられています。

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