ブルース (UNICORNの曲)

UNICORN「ブルース」：異彩を放つ労働歌

「ブルース」は、日本のロックバンドUNICORNが1991年6月21日にリリースした6枚目のシングルです。作詞・作曲は西川幸一、プロデュースはUNICORN名義。建設業を題材にした歌詞と、ハーレムの雰囲気を漂わせるブルージーなサウンドが特徴的な楽曲です。

制作の裏側

構想時のタイトルは「東京土方（ひじかた）ストーリーは勝つ」でした。西川幸一にとって初のシングル曲担当となり、メンバー一同はデモテープに大笑いしたものの、その後は「どうすりゃええんじゃ!?」と戸惑ったそうです。奥田民生は、デモテープの再現に徹したと語っています。キーが低く歌うのが辛いとも述べていますが、楽曲自体は非常に気に入っているとのことです。堀内一史はソロアルバムのレコーディングがあったため、本作では雄叫びのみの参加となっています。

音楽性と歌詞

西川は「この曲ほど歌詞はラクだったのはなかったですね」と語っており、表題曲とカップリング曲の対比から「“コンセプタル”なシングルですよね」とも述べています。ライターの西岡ムサシは、本作をUNICORNの労働者ソングの中でも異彩を放つ作品と評価し、平成の「ヨイトマケの唄」と例えました。チューバによるベースラインは、1920年代のハーレム・ルネサンスを彷彿とさせると評されています。

リリースとプロモーション

1991年6月21日に8センチCDでリリースされ、同年9月15日にはミュージックビデオを収録したCDビデオがリリースされました。リリースキャンペーンとして握手会が行われ、多くのファンが殺到しました。メンバーはソニーの社員とともにラジオ局を回り、神社でヒット祈願も行ったそうです。

本作はオリジナルアルバムには収録されませんでしたが、解散後にリリースされたベストアルバム『THE VERY RUST OF UNICORN』（1994年）で初めてアルバムに収録されました。

奥田民生は本作を大変気に入っており、UNICORN解散後もソロライブで度々披露しています。再結成後にリリースされたファン投票によるベストアルバム『I LOVE UNICORN 〜FAN BEST〜』（2009年）に本作がランクインしなかったことを残念がっていました。

チャート成績

オリコンチャートでは最高位4位を獲得し、13.5万枚を売り上げました。西岡ムサシは、当時のUNICORN人気があればこその結果だと評しています。

ミュージックビデオ

板屋宏幸がディレクターを務めたミュージックビデオは、メンバーが室内で様々な行動を取るシーンと、バーでポーカーに興じるシーンで構成されています。逆回転を多用した撮影は困難を極め、奥田民生は逆回転用のリップシンクに苦労したそうです。

カバー

憂歌団がカバーアルバム『知ってるかい!?』（1994年）で本作をカバーしています。

収録曲

1. ブルース
2. サマーな男

収録アルバム

『THE VERY RUST OF UNICORN』（1994年）
『ULTRA SUPER GOLDEN WONDERFUL SPECIAL ABSOLUTE COMPLETE PERFECT SUPREME TERRIFIC ULTIMATE...』（2002年）
* 『Quarter Century Single Best』（2012年）

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