ブルース・フェアバーン

ブルース・フェアバーン（Bruce Fairbairn、1949年12月30日 - 1999年5月17日）は、カナダのバンクーバー出身の音楽プロデューサー、そしてミュージシャンとしても才能を発揮した人物です。

幼少の頃から音楽に親しみ、ピアノとトランペットの練習に励みました。中等学校時代には自身のバンドを結成し、活動する傍ら、地域の楽団でもトランペット奏者として活躍していました。音楽に対する情熱は早くから芽生え、その才能を開花させていったのです。

1970年代に入ると、ジャズバンドに在籍しトランペットを演奏しながら、ジャズやブルースといったジャンルを中心にプロデュース活動を始めました。当初は小規模な活動でしたが、1980年頃から音楽プロデューサーとして本格的に活動を開始します。

フェアバーンの名前が広く知られるようになったのは、ハードロックバンドのアルバムを手掛けるようになってからです。ボン・ジョヴィのアルバム『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』は全世界で3000万枚を売り上げる大ヒットとなり、彼のプロデュース能力が高く評価されるようになりました。また、低迷期にあったエアロスミスの人気を復活させたアルバム『パーマネント・ヴァケイション』も、彼の代表作の一つとして知られています。

その他にも、AC/DC|AC_DCの『レイザーズ・エッジ』、ポイズンの『Flesh & Blood』、ヴァン・ヘイレンの『バランス』、キッスの『サイコ・サーカス』など、数々の有名アーティストの作品を手掛け、商業的な成功を収めました。彼のプロデュース作品は、いずれも高いクオリティとオリジナリティを持ち、多くの音楽ファンを魅了しました。

しかし、1999年5月17日、イエスのアルバム『ラダー』をプロデュースした直後、自宅のスタジオで急逝するという悲劇に見舞われます。遺体は、自宅を訪問したイエスのメンバーと、スタジオの共同管理人によって発見されました。死因は家族の意向により公表されていませんが、報道によれば、睡眠中に何らかの症状が原因でそのまま亡くなったとされています。同年発売されたイエスのライブ・ビデオ『ハウス・オブ・イエス』に収録された『ラダー』のメイキング・ビデオでは、インタビューに答える彼の姿を見ることができます。

ブルース・フェアバーンは、音楽プロデューサーとしてだけでなく、一人の人間としても多くの人に愛されました。既婚者であり、3人の息子を持つ父親でもありました。彼の早すぎる死は、音楽業界に大きな衝撃を与え、多くのファンがその死を悼みました。彼の作品は今もなお、多くの人々に愛され続けています。

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