ワイルド・イン・ザ・ストリーツ

ボン・ジョヴィ『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』徹底解説

ボン・ジョヴィの3枚目のスタジオ・アルバム『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』（原題：Slippery When Wet）は、1986年8月25日にリリースされ、バンドのキャリアを決定づけた作品として知られています。前作から約1年4ヶ月ぶりとなる本作は、プロデューサーにブルース・フェアバーンを迎え、デズモンド・チャイルドが楽曲制作に初参加したことも大きな特徴です。

制作の背景

アルバム制作にあたり、30曲もの候補曲が用意され、収録曲の選定には、地元ニュージャージー州やニューヨーク州の10代の若者たちの意見が参考にされました。彼らに曲を聴かせ、その反応を見て選曲するという、当時としては画期的な手法が用いられました。

大成功

リリース後、『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』はボン・ジョヴィにとって初の全米ビルボードチャート1位を獲得。その後8週間も1位をキープし続けました。さらに、「禁じられた愛（You Give Love A Bad Name）」と「リヴィン・オン・ア・プレイヤー（Livin' On A Prayer）」という2つのシングルも全米ビルボードシングルチャートで1位に輝き、アルバムの大ヒットを後押ししました。

アメリカ国内だけでも1,200万枚、全世界では2,800万枚を売り上げ、ボン・ジョヴィは一躍、世界的なロックスターダムへと駆け上がりました。

タイトルとアートワーク

当初、アルバムタイトルは『ウォンテッド・デッド・オア・アライヴ』や『ガンズ・アンド・ローゼズ』などが候補に挙がっていました。しかし、最終的にはジョン・[[ボン・ジョヴィ]]がインタビューで語ったように、『Slippery When Wet』が採用されました。

アートワークも当初は、濡れたTシャツを着た女性の胸部を写した過激なものが予定されていましたが、メンバーの意向により、水をかけられたゴミ袋にジョンが指でタイトルを書いたシンプルなものに変更されました。日本盤ではオリジナルのアートワークが使用されています。

デラックス・エディション

2025年2月28日には、未発表の別ミックスやライブ音源などをボーナストラックとして収録した『Slippery When Wet (Deluxe Edition)』がデジタル配信および輸入盤CD/LPで発売され、再び注目を集めました。

収録曲とタイアップ

「禁じられた愛」は日清食品「カップヌードル」のCMソングとして替え歌で使用され、「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」は富士フイルム「AXIA」のCMソングや映画『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』の劇中歌、アサヒ飲料「颯」のCMソングとしても起用されました。また、「ウォンテッド・デッド・オア・アライヴ」は映画『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』のオープニングテーマや映画『団塊ボーイズ』の劇中歌として使用されています。

エピソード

「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」は、当初ジョン自身がその出来に満足せず、アルバムへの収録を見送ろうとしていました。しかし、リッチー・サンボラがその潜在的なヒットの可能性を信じ、再レコーディングを提案。その結果、この曲は世界的な大ヒットとなり、ボン・ジョヴィの代表曲の一つとなりました。

まとめ

『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』は、ボン・ジョヴィの音楽的な才能と、時代のニーズが完璧に融合した作品と言えるでしょう。このアルバムの成功が、彼らを世界的なロックバンドへと押し上げ、その後の活躍の фундаментとなりました。

BON JOVI（ボン・ジョヴィ） - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

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Slippery When Wet - Discogs (発売一覧)

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