ブルームバーグ (企業)

ブルームバーグ（Bloomberg L.P.）

ブルームバーグは、経済や金融関連の情報を中心に提供するアメリカの大手情報サービス会社です。本社をニューヨークに置き、世界中に185の拠点を展開。約1万5500人の社員が在籍し、多様なメディア事業にも取り組んでいます。

会社の設立と歴史

ブルームバーグは、1981年にマイケル・ブルームバーグによって設立されました。彼はソロモン・ブラザーズの元幹部であり、退職金を元手に「イノヴェーティヴ・マーケット・システムズ」という会社を創業し、後に「ブルームバーグ」へと社名を変更しました。最初は債券取引の情報を専門に扱い、メリルリンチが初の顧客となりました。当時、情報提供サービスの市場はロイターやダウ・ジョーンズが支配していましたが、マイケルは自身がトレーダーだった経験を活かし、これらのサービスを改良して大きな成功を収めました。現在、彼はブルームバーグの主要株主となっており、情報提供において中立的な立場を維持しています。

その後、報道部門の設立の重要性に気づいたマイケルは、ウォールストリート・ジャーナルの記者マット・ウィンクラーを招き入れ、報道部門を強化。マイケルは2001年にニューヨーク市長選に立候補し、CEOを退任しました。2009年には、マグロウヒル社からビジネスウィークを買収しました。

日本での活動展開

ブルームバーグは、日本にも進出しており、東京支局では約600名の社員が働いています。2024年にはTBSテレビとの間で5年間の戦略的パートナーシップを締結し、TBS NEWS DIGにブルームバーグの取材記事を提供する予定です。

主要なサービスと特色

ブルームバーグの中核をなすサービスは、独自の情報端末です。「ブルームバーグ・エニウェア」ではインターネット接続があればどこでも利用でき、一方「ブルームバーグ・プロフェッショナル」は、主に社内で利用される固定端末です。ユーザーからのフィードバックを元に継続的な改善が行われており、過去10年間で売上を約3倍に増加させています。

2015年には、取引システムで原因不明の障害が発生することもありましたが、企業戦略は成功を収めています。

批判と問題点

一方で、ブルームバーグは批判も受けています。例えば、中国政府の圧力を受けて報道が制約される場合があり、特定の記事が中国国内で閲覧できないようにする機能を利用しています。また、顧客情報に不適切にアクセスした疑いが持たれたり、特定の誤報が市場に影響を与えることがありました。

特に、過去における誤報は重大で、任天堂やソニーの株価に急落を引き起こした事例もあります。さらには、労働問題や化石燃料関連の報道についても批判が集まっています。

ブルームバーグは、ロイターやダウ・ジョーンズなどと競合しながら、現在も影響力のある情報サービス企業としての地位を確立し続けています。

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