ダウ・ジョーンズ

ダウ・ジョーンズの概要

ダウ・ジョーンズ（Dow Jones & Company, Inc.）は、アメリカを代表する経済関連の出版社および通信社であり、主に「ウォールストリート・ジャーナル」の発行元として知られています。金融市場や経済に関連する情報を提供することを目的とし、長い歴史を持つこの企業は、数世代にわたって経済指標やニュースの情報源として多くの人々に利用されています。

沿革

設立の背景

ダウ・ジョーンズは1882年に、チャールズ・ダウ、エドワード・ジョーンズ、チャールズ・バーグストレッサーの3名によって設立されました。設立当初は、ニューヨーク証券取引所の近くに位置し、手書きの経済ニュースレターを、ローカルの経済関係者に配布することからスタートしました。これが、現在の形へと発展する基盤となります。

1889年7月には「ウォールストリート・ジャーナル」を創刊し、以降この新聞はアメリカ国内外で広く読まれるようになりました。その後、1967年にはアメリカ最大手の通信社であるAP通信と提携し、情報の信頼性をさらに高めました。

経済指標の確立

1896年には「ダウ平均」として知られる「ダウ・ジョーンズ工業平均株価」が設けられ、これによりニューヨーク株式市場の指針として広く利用されるようになりました。この指標は、株式市場の動向を把握する上で欠かせないものとなり、今日に至るまで多くの投資家やアナリストにとって重要なツールです。

1999年以降は、スイスのサステナビリティ関連企業であるSAM社と共同で、DJSI（ダウ・ジョーンズサステナビリティインデックス）を提供しています。これは社会的責任投資（SRI）の世界的な指標となり、毎年日本からもNTTドコモや伊藤忠商事など、多数の企業が選定されています。

現在の状況

2007年にダウ・ジョーンズはニューズ・コープに買収され、現在はその子会社である「Ruby Newco LLC」の完全子会社となっています。2010年には、ニューズ・コーポレーションがダウ・ジョーンズのインデックス算出事業の約90%をシカゴ・マーカンタイル取引所グループに売却しました。この取引により、2012年7月以降はダウ・ジョーンズのインデックス算出事業がS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスとして移行しています。

提供する情報と発行している新聞

ダウ・ジョーンズが提供する情報には、「ウォールストリート・ジャーナル」をはじめとする様々な経済関連の出版物があります。また、バロンズやダウ・ジョーンズ・ニュースワイアーなども含まれ、金融や経済に関する最新の情報を提供しています。さらに、DJXリスク＆コンプライアンス、DJXベンチャーソースといったサービスも展開しており、投資家や企業が必要とする情報を広範囲にカバーしています。

その情報網や指標は、個人投資家から機関投資家まで、幅広い層に支持されています。

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