ブレアーアソール

ブレアーアソール：クラシック二冠馬にして、偉大な種牡馬

ブレアーアソールは、19世紀を代表するイギリスの競走馬であり、種牡馬として後世に大きな影響を与えたサラブレッドです。1864年、ダービーステークスとセントレジャーステークスの両クラシックレースを制覇し、クラシック二冠馬の栄光を手にしました。さらに種牡馬としても成功をおさめ、4度も英愛リーディングサイアーに輝いた、まさにサラブレッド界のレジェンドと言える存在です。

輝かしい出自

ブレアーアソールの父は、サラブレッド界に名高い種牡馬、ストックウェル(Stockwell)です。ストックウェルは1852年のクラシック二冠馬であり、7度のリーディングサイアーに輝くなど、種牡馬としても圧倒的な成功を収めました。「種牡馬の皇帝」と称されるほど、その血統は現代のサラブレッドにも大きな影響を与えています。

母であるBlink Bonnyもまた、1857年のオークスとダービーステークスを制した名牝です。引退後も、オークス3着馬Borealis（セントレジャーステークス優勝馬バヤルド及びダービー馬レンバーグの5代母）や、アスコットゴールドカップ3着馬Breadalbaneなど、優れた産駒を輩出しました。ブレアーアソールは、母と同じくウィリアム・イアンソンによって生産され、所有、調教されました。

ダービー制覇とヨーロッパでの活躍

ブレアーアソールは、成長がゆっくりとしたため2歳時には出走がありませんでした。しかし、調教での動きは有望で、馬主のイアンソンは高額なオファーを断るほど、その才能を高く評価していました。ダービーでのダークホースとして注目を集める中、3歳春には歯の問題で調整が遅れ、いくつかのレースを回避することになります。

ダービーでは、8度ものスタートやり直しというアクシデントがありましたが、ブレアーアソールは序盤から後方に位置取り、最終コーナーまでじっと我慢を続けました。2000ギニー優勝馬General Peelが勝利したかに思われた最後の直線で、ブレアーアソールは驚異的な末脚を繰り出し、General Peelを捉えて優勝を飾りました。記録されたタイムは当時のレコードタイムであった2:43.6でした。

ダービー制覇後、ブレアーアソールはパリ大賞に挑戦するためフランスへ渡りました。悪天候によりレース前夜に到着するなど、ハプニングに見舞われながらも、フランス皇帝も観戦する中、レースに挑みました。しかし、Vermoutには届かず2着に終わりました。

帰国後は、トライエニナルステークス、グッドウッドのステークス、ゼットランドプレートと3連勝を飾りましたが、グレートヨークシャーステークスでは体調不良により敗戦を喫しました。そして、セントレジャーステークスでは、悪天候の中、圧倒的な強さでGeneral Peelに2馬身差をつけて優勝し、クラシック二冠を達成しました。

種牡馬としての成功

競走馬としての引退後、ブレアーアソールは種牡馬として新たな成功を収めました。Silvio、Prince Charlie、Craig Millar、Cecilia、Scottish Queenなど、多くのクラシックウィナーを輩出しました。1872年、1873年、1875年、1877年の4度にわたり英愛リーディングサイアーの称号を獲得し、その人気と実力は種付料が200ギニーに跳ね上がったほどでした。高い種付料に対する反発もあったほど、その人気と需要の高さが伺えます。

まとめ

ブレアーアソールは、競走馬、種牡馬の両方で輝かしい成功を収めた伝説的なサラブレッドです。その血統は、現代の競走馬にも受け継がれ、その偉大なる功績はサラブレッドの歴史に深く刻まれています。ダービーでの劇的な勝利、クラシック二冠達成、そして種牡馬としての成功は、ブレアーアソールという馬の偉大さを物語っています。彼の活躍は、多くの人々に感動と興奮を与え続け、競馬史に燦然と輝く一頁を刻んだと言えるでしょう。

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