レンバーグ

レンバーク：ダービー馬から名種牡馬へ

レンバーグ（1907年 - 1928年）は、イギリス競馬史に名を刻むサラブレッド競走馬にして、傑出した種牡馬です。その華麗なる競走生活と、種牡馬としての成功は、今日まで語り継がれる数々の伝説を織りなしています。

出自と生い立ち

レンバーグは、オーナーブリーダーとして知られるアルフレッド・W・コックス氏によって生産されました。父はアスコットゴールドカップ優勝馬サイリーン。サイリーンは、レンバーグ以外にも数々の名馬を輩出した名種牡馬として知られており、3頭のダービー優勝馬と6度の英愛リーディングサイアーの称号を獲得したポリメラスもその産駒です。母ガリカは、ガロピンを父に持ち、セントレジャーステークス優勝を含む22勝という輝かしい競走成績を収めた名牝でした。ガリカは、後に三冠馬ゲイクルセイダーとゲインズバラの父となる、セントレジャーステークス優勝馬バヤルドを産んでいます。レンバーグは、クラシックレースで16勝を挙げた名トレーナー、アレック・テイラー・ジュニアの手腕によって育成されました。

競走馬としての活躍

2歳時（1909年）のレンバーグは、デビュー戦となるニューステークスを圧勝。その後もチェスターフィールドステークスを制覇するなど、早くからその才能を披露しました。グッドウッド競馬場のルースメモリアルステークスで敗れたものの、秋には見事復活。ルースメモリアルステークス（5f）、ミドルパークステークス、そしてデューハーストステークスと立て続けに勝利を収めました。特にデューハーストステークスでは、後のアメリカチャンピオンとなるウィスクブルームに5馬身差をつける圧勝劇を見せつけました。

3歳時（1910年）のクラシックシーズン、レンバーグはダービーステークスに挑みます。2000ギニーではライバル、ニールゴウに惜しくも敗れましたが、ダービーでは期待に応え、グリーンバックをゴール前で捉え、レコードタイムで優勝。ダービー制覇により、レンバーグの名は瞬く間にイギリス中に知れ渡りました。続くセントジェームズパレスステークスも制覇しましたが、パリ大賞では4着に終わりました。夏にはエクリプスステークスでニールゴウとの再戦を制し、秋にはジョッキークラブステークス、チャンピオンステークスと勝利を重ねました。セントレジャーステークスではスウィンフォードに敗れましたが、その後の活躍は目覚ましく、能力の高さを示しました。

4歳時（1911年）は、コロネーションカップで前年のセントレジャーステークスの雪辱を果たし、スウィンフォードを破って勝利を収めました。しかし、プリンセスオブウェールズステークス、エクリプスステークスではスウィンフォードに敗れるものの、秋にはドンカスターカップを制覇し、ジョッキークラブステークスで2着、チャンピオンステークスでは連覇を達成。その後、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

種牡馬としての成功

引退後はニューマーケットのハミルトンスタッドで種牡馬として活躍し、1922年には英愛リーディングサイアーの栄冠に輝きました。オークス優勝馬ポグロム、2000ギニー優勝馬エランゴワン、1000ギニー優勝馬タージマーなど、数々の優秀な産駒を輩出しました。

まとめ

レンバーグは、競走馬として、そして種牡馬として、イギリス競馬史に大きな足跡を残したサラブレッドです。その類まれな才能と、幾多の激闘を制してきた歴史は、後世に語り継がれるべき偉大な遺産と言えるでしょう。その血統は、現代競馬にも大きな影響を与え続けています。

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