ブレイク・フリー (自由への旅立ち)

クイーンの代表曲「ブレイク・フリー（自由への旅立ち）」

「ブレイク・フリー（自由への旅立ち）」（原題：I Want to Break Free）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1984年に発表した楽曲です。作詞・作曲はベーシストのジョン・ディーコンが担当しました。

この曲は、1984年2月にリリースされたアルバム『ザ・ワークス』に初収録されました。アルバムバージョンは、ベースとパーカッションによる短い前奏で始まります。その後、シングルカットされるにあたり、シンセサイザーを主体とした長めの前奏が加えられたバージョンが新たに制作されました。

「ブレイク・フリー」は、本国イギリスではシングルチャート3位を記録し、20万枚を売り上げてシルバー認定を受けるなど、大きな成功を収めました。しかし、アメリカではBillboard Hot 100で最高45位にとどまりました。一方で、当時圧政下にあった南米などでは、自由への賛歌として熱烈な支持を集めました。

クイーンのベストアルバム『グレイテスト・ヒッツII』には、シングルバージョンが収録されています。

物議を醸したミュージックビデオ

「ブレイク・フリー」のミュージックビデオは、シングルバージョンが使用されました。このビデオ最大の特徴は、メンバーが女装している点です。これはドラマーのロジャー・テイラーの発案で、イギリスの人気ドラマ『コロネーション・ストリート』のパロディとして制作されました。また、ギターソロからボーカルが再開するまでの間には、フレディ・マーキュリーとロイヤル・バレエ団によるパフォーマンスが挿入されています。

このミュージックビデオは、イギリスでは好評でしたが、アメリカでは大きな物議を醸しました。MTVをはじめとする多くの放送局で放送禁止処分となりました。

現在、このミュージックビデオは映像作品『グレイテスト・ビデオ・ヒッツ2』などで視聴可能です。2018年に公開された映画『ボヘミアン・ラプソディ』では、この曲のミュージックビデオを撮影するシーンがあり、キャストによって一部が再現されています。

ライブでのパフォーマンス

ライブでは、サポートキーボーディストのスパイク・エドニーが、キーボードでシングルバージョンのイントロを演奏していました。ワークスツアーでは、フレディ・マーキュリーがミュージックビデオと同様の女装でパフォーマンスを披露することもありましたが、「自由への賛歌」として受け入れられていた国々では観客から不評で、石を投げつけられたため、すぐに女装を脱いだというエピソードも残っています。

この曲は、メンバー全員での最後のツアーとなったマジックツアーでも演奏されました。また、フレディ・マーキュリーの死後に行われた追悼コンサートでは、リサ・スタンスフィールドが掃除機を持って登場し歌唱しました。クイーン+ポール・ロジャースのツアーでも演奏されています。

収録曲

7インチ盤

1. ブレイク・フリー (自由への旅立ち) - I Want to Break Free (Deacon) 4:18
2. マシーン・ワールド - Machines (Or 'Back to Humans') (Taylor/May) 5:05

12インチ盤

1. ブレイク・フリー (自由への旅立ち) (エクステンデッド・ミックス) - I Want To Break Free (Extended Mix) (Deacon) 7:13
2. マシーン・ワールド - Machines (Or 'Back to Humans') (Taylor/May) 5:07

担当

フレディ・マーキュリー - ボーカル
ブライアン・メイ - エレクトリックギター
ロジャー・テイラー - 電子ドラム
ジョン・ディーコン - ベースギター、アコースティック・ギター、シンセサイザー
フレッド・マンデル - シンセサイザーソロ

カバー

Masterboy (1998年)
* The Cab (2009年)

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