ロジャー・テイラー

ロジャー・テイラー：クイーンを支える多才なミュージシャン

ロジャー・メドウス・テイラー（Roger Meddows Taylor OBE、1949年7月26日 - ）は、イギリス出身のミュージシャンであり、世界的なロックバンド「クイーン」のドラマーとして知られています。ドラム演奏だけでなく、コーラスや一部楽曲でのリードボーカル、さらにはギターやキーボードもこなすマルチプレイヤーであり、クイーンの音楽を語る上で欠かせない人物です。

生い立ちと音楽への目覚め

ロジャーはノーフォークで生まれ、幼少期にコーンウォールへ移住しました。8歳でウクレレを独学で始め、学校ではスキッフルを演奏するなど、幼い頃から音楽に親しんでいました。その後、音楽奨学金を得てトルロ大聖堂学校の聖歌隊に入り、歌唱力を磨きました。当初はギターを演奏していましたが、次第にドラムに興味を持つようになり、地元のバンドでドラマー兼ボーカリストとして活動を始めました。

クイーン結成までの道のり

ロジャーは、ロンドン・ホスピタル・メディカル・カレッジへの進学を機にバンド活動を一時中断しますが、その後ノース・ロンドン工芸大学で生物学を専攻します。大学在学中に、ブライアン・メイのメンバー募集広告を目にし、バンド「スマイル」を結成。しかし、スマイルは商業的な成功を収めることができず、メンバーの脱退を経て、フレディ・マーキュリーが加入することで、後のクイーンへと発展しました。

クイーンでの活躍

クイーンでは、ドラマーとしてバンドのサウンドを支えながら、作曲家としても才能を発揮しました。初期には、ロック色の強い楽曲を提供し、ハスキーな声でリードボーカルを務めることもありました。「アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー」は彼の代表的な楽曲の一つです。また、自らがボーカルを取らない楽曲では、少年時代に聖歌隊で培った高音を生かしたバックコーラスで、クイーンのハーモニーに深みを与えました。

1980年代に入ると、「RADIO GA GA」や「カインド・オブ・マジック」など、自身が作詞作曲した数々のヒット曲を連発し、クイーンのヒットメーカーとしての地位を確立しました。フレディ・マーキュリーの死後も、クイーンのメンバーとして、ポール・ロジャースやアダム・ランバートといったボーカリストと共演し、精力的に活動を続けています。

ソロ活動とザ・クロス

ロジャーはクイーンのメンバーの中で最も早くソロ活動を始めました。1977年に自費制作でシングルをリリースし、その後もアルバムを発表。ソロ活動では、クイーンとは異なる音楽性を追求し、社会的なメッセージを込めた楽曲や、ボブ・ディランのカバーなどを披露しました。

また、クイーンが活動を休止していた時期には、自身のバンド「ザ・クロス」を結成し、リードボーカルとギターを担当しました。ザ・クロスでは、クイーンとは異なるストレートなロックンロールを追求しましたが、商業的な成功には恵まれず、3枚のアルバムを発表後に解散しました。

クイーン+[[ポール・ロジャース]]、そして現在

フレディ・マーキュリーの死後、ロジャーとブライアンは、ポール・ロジャースをボーカルに迎え「クイーン+[[ポール・ロジャース]]」として活動を再開しました。このユニットは、フレディ不在という状況ながらも、世界中でツアーを成功させ、アルバムもリリースしました。その後、ポール・ロジャースはユニットを脱退しましたが、ロジャーは現在もクイーンのメンバーとして活動を続けています。

ロジャー・テイラーのドラムセット

ロジャーはライブでLudwigのドラムセットを愛用していますが、レコーディングでは曲によってドラムの種類やサイズ、ヘッドを使い分けています。彼のドラムセットは、26インチのバスドラム、10インチと13インチのタムタム、16インチと18インチのフロアタム、14インチのスネアドラムで構成されています。シンバルはZildjianを使用し、ドラムスティックはVIC FIRTH American Classic 5Bを使用しています。

人物像とエピソード

ロジャーは、クイーンの初期の頃、フレディ・マーキュリーと同居しながら、古着を売って生計を立てていました。車好きとしても知られ、自身の楽曲「アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー」は、車好きのサウンドエンジニアに触発されて作られました。また、長いドラムソロが嫌いであることを公言しており、観客がドラムソロ中にホットドッグを買いに行くのを見て、ドラムソロをやりたくなくなったというエピソードも残っています。

ロジャー・テイラーは、その多才な音楽性と、常に挑戦し続ける姿勢で、今もなお世界中の音楽ファンを魅了し続けています。



ディスコグラフィ

オリジナル・アルバム
ファン・イン・スペース - Fun In Space (1981年)
ストレンジ・フロンティアー - Strange Frontier (1984年)
ハピネス? - Happiness? (1994年)
エレクトリック・ファイアー - Electric Fire (1998年)
ファン・オン・アース〜地上の愉楽 - Fun on Earth (2013年)
アウトサイダー - Outsider (2021年)
コンピレーション・アルバム
ソロ・シングルス1 - Solo Singles 1 (2013年)
ソロ・シングルス2 - Solo Singles 2 (2013年)
ベスト - Best (2014年)
ボックスセット
ザ・ロット - The Lot (2013年)
シングル
アイ・ワナ・テスティファイ - I Wanna Testify (1977年)
フューチャー・マネジメント - Future Management (1981年)
マイ・カントリー - My Country (1981年)
レッツ・ゲット・クレイジー - Let's Get Crazy (1981年)
ストレンジ・フロンティア - Strange Frontier (1984年)
炎のロック・スピリット - Man On Fire (1984年)
ストレンジ・フロンティアー - Man On Fire (1984年)
ハピネス - Happiness (1994年)
ナチス1994 - Nazis 1994 (1994年)
フォーリン・サンド - Foreign Sand (1994年)
ハピネス - Happiness (1994年)
プレッシャー・オン - Pressure On (1998年)
サレンダー - Surrender (1999年)
ザ・アンブリンキング・アイ - The Unblinking Eye (Everything is Broken) (2009年)
ディアー・Mr マードック - Dear Mr Murdoch 2011 (2011年)
サニー・デイ - Sunny Day (promo) (2013年)
ジャーニーズ・エンド - Journey's End (2017年)
ギャングスター・アー ランニング・ディス・ワールド - Gangsters Are Running This World (2019年)

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