ブレスラウ (軽巡洋艦)

ブレスラウ（ミディッリ）の生涯

ブレスラウは、ドイツ帝国海軍が建造したマクデブルク級の小型巡洋艦の2番艦として、1911年5月16日に進水しました。艦名は、現在のポーランド領ヴロツワフのドイツ語名に由来しています。1912年8月に就役すると、第一次バルカン戦争を受けて新編された地中海戦隊に配備され、巡洋戦艦ゲーベンと共に活動しました。ブレスラウはモンテネグロ封鎖作戦に参加し、その初期の艦歴を地中海で過ごしました。

1914年7月末に第一次世界大戦が勃発すると、ブレスラウとゲーベンはイギリス海軍とフランス海軍の追撃を受けながら、ドイツと同盟関係にあったオスマン帝国へ逃れました。同年8月10日にダーダネルス海峡を通過してコンスタンティノープルに到着し、8月16日にオスマン帝国海軍に売却されました。この際、ブレスラウはミディッリと改名されました。ミディッリという名称は、レスボス島のトルコ語名に由来しています。

オスマン帝国海軍での活躍

ミディッリは、オスマン帝国海軍の一員として第一次世界大戦に参加しました。1914年10月29日、黒海沿岸のロシア帝国領に対する攻撃である黒海襲撃では、ノヴォロシースクへの攻撃を実施しました。その高速性能により、ロシア帝国海軍は有効な反撃ができず、ミディッリの優位性が際立ちました。11月18日には、サールィチ岬沖でロシア艦隊と交戦するサールィチ岬の海戦に参加し、その後も、12月にはロシア軍の閉塞作戦を妨害し、閉塞船を撃沈しました。

1915年1月6日には、ヤルタ沖でロシア艦隊と交戦し、戦艦に命中弾を与える戦果を挙げました。6月には、ボスポラス海峡北方でロシアの駆逐艦と交戦し、1隻を大破させました。しかし、7月には触雷により損傷し、修理を余儀なくされました。1916年3月2日には、輸送任務からの帰路にロシア駆逐艦と交戦し、4月3日にはロシアの掃海艇を攻撃、4月4日には、ロシア艦隊との交戦にも参加しました。7月には、機雷敷設任務中にロシア艦隊と交戦し、駆逐艦との交戦後、戦艦の攻撃をかわし逃走に成功しました。1917年6月25日には、ドナウ川河口への機雷敷設任務を実施し、翌日にはロシア艦隊と交戦しました。

悲劇的な最期

1918年1月20日、ミディッリはヤウズ・スルタン・セリムと共にダーダネルス海峡を出撃し、イムロズ島攻撃に向かいました。イギリス軍のモニター艦を撃沈する戦果を上げましたが、その後のリムノス島への移動中に触雷し、沈没しました。この沈没により、ミディッリの波乱に満ちた生涯は幕を閉じました。

ミディッリは、ドイツ海軍からオスマン帝国海軍へとその所属を変えながらも、その高速性能を活かして様々な戦いで活躍しました。その艦歴は、第一次世界大戦という激動の時代を象徴するものとして、歴史に刻まれています。

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