ブレーズノーズ・カレッジ (オックスフォード大学)

オックスフォード大学ブレーズノーズ・カレッジ：歴史と伝統

概要

オックスフォード大学ブレーズノーズ・カレッジ (Brasenose College, BNC) は、イングランド、オックスフォード市中心部に位置する由緒あるカレッジです。13世紀に設立されたブレーズノーズ・ホールを起源とし、1509年にカレッジとして正式に認可されました。17世紀半ばには図書館と礼拝堂が、19世紀後半から20世紀初頭にかけて新たな中庭が完成するなど、歴史的建造物が多数残されています。近年は学生満足度が高く、学業成績においても高い評価を得ています。


歴史

1279年にその名が初めて記録されたブレーズノーズ・ホールを前身とし、1509年にサー・リチャード・サットンとリンカン司教ウィリアム・スマイスの2名によってカレッジとして設立されました。カレッジの名称は、ホールのドアにあった真鍮製のノッカーに由来すると考えられています。創設者たちの出身地であるランカシャーとチェシャーとの結びつきは、20世紀後半まで強く残っていました。
宗教改革期やその後の変革期においても、カレッジは存続し、カトリック支持者を含む様々な人々がその発展に貢献しました。イングランド内戦中は王党派を支持する立場を取ることが多かったものの、両陣営に著名な人物を輩出しています。17世紀半ばに図書館と礼拝堂が完成しましたが、財政難はその後も長く続きました。
1785年以降、ウィリアム・クリーバー校長のリーダーシップの下、カレッジは繁栄期を迎えました。1790年から1810年にかけて収入は倍増し、学術的にも大きな成功を収めました。第一次世界大戦では115名の学生を失い大きな打撃を受けましたが、戦後のカーゾン卿による改革によって復興を果たしました。戦間期にはウィリアム・スタリーブラスが学長として長くカレッジを導き、スポーツ分野でも多くの優れた選手を輩出しました。


立地と建物

ブレーズノーズ・カレッジはオックスフォードの中心部、ラドクリフ広場に位置し、ラドクリフ・カメラに隣接しています。北側はブレーズノーズ・レーン、南側はハイ・ストリートに面し、西側にはリンカーン・カレッジがあります。歴史的な建造物に加え、近代的な施設も整備されています。


伝統

カレッジの紋章は、創設者の紋章とリンカンの紋章を組み合わせた複雑なデザインです。世界最古級のボートクラブであるブレーズノーズ・カレッジ・ボートクラブも有名です。


著名な卒業生

ブレーズノーズ・カレッジは、政治家、科学者、作家、俳優、学者など、多様な分野で活躍する著名な卒業生を多く輩出しています。
近年の卒業生には、デイヴィッド・キャメロン元イギリス首相、マルコム・ターンブル元オーストラリア首相、俳優のマーク・ウィリアムズやマイケル・ペイリン、作家ジェシー・バートンなどが含まれます。それ以前の卒業生には、ヘンリー・アディントン元イギリス首相、アシュモレアン博物館の創設者イライアス・アシュモール、『三十九階段』の著者ジョン・バカン、ノーベル文学賞受賞者ウィリアム・ゴールディングなどがいます。2016年のノーベル物理学賞受賞者ジョン・M・コステリッツもブレーズノーズの卒業生です。


近年の状況

2010年から2021年にかけて、ブレーズノーズ・カレッジは学士号試験の非公式な成績基準であるノリントン・テーブルで上位にランクインし続けました。また、最近の調査では、学部生の全体的な満足度が98％と非常に高い数値を示しています。近年はイギリスの学部生の約80％が公立学校出身者となっています。


まとめ

オックスフォード大学ブレーズノーズ・カレッジは、歴史と伝統を重んじながら、現代においても高い評価と人気を誇るカレッジです。その歴史、伝統、そして著名な卒業生たちの活躍は、カレッジの輝かしい実績を示しています。

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