ブロックスゾイド

ブロックスゾイドは、タカラトミー（旧トミー）から発売されたゾイドブロックスシリーズに登場する架空の兵器です。2002年に展開されたゾイドブロックスシリーズの玩具商品およびメディアミックスで初登場しました。

概要

ブロックスゾイドは、人工的に作られたゾイドであり、バトルストーリーでは人工ゾイドのみが存在します。しかし、アニメシリーズでは野生のブロックスゾイドや古代から存在する個体も登場します。

商品仕様

ブロックスゾイドの玩具は、キメラブロックスとは異なるデザインのブロックを使用しています。初期のBZ-009までは銀色の共通ジョイントパーツが付属し、BZ-010からは黒色の新規ジョイントパーツが採用されました。

設定

東方大陸の民間企業ZOITECが開発した人工ゾイドです。惑星Ziの大異変により野生ゾイドの生態系が壊滅的なダメージを受けたため、戦闘兵器として改造することが困難になりました。そこで、人工ゾイドコアを持つブロックスゾイドが誕生しました。

ブロックスゾイドは、人工ゾイドコアを中心にユニット化されたパーツで構成されており、既存のゾイドに相当する形態を再現し、従来のゾイドと同等の役割を担います。個々の戦闘力では通常ゾイドに劣りますが、チェンジマイズによる変形・合体で補っています。

ネオゼネバス帝国もこの技術に着目していましたが、軍事利用を視野に入れた強引な協力要請を行ったため、ZOITECはヘリック共和国にブロックスゾイドを無償提供し支援を開始しました。

人工ゾイドコアを導入したブロックスゾイドは、生産コストが低く、操縦に精神リンクを必要としません。また、人工コアには経験値保存メモリーが設けられており、戦闘から帰還したゾイドの情報を他の機体と共有できます。これにより、従来のゾイドが持っていた機体間の個体差がなくなりました。

共和国軍では、初期の機体でチェンジマイズの検証を重ね、レオストライカーの完成により本格的な実戦投入を開始しました。パーツを分割した状態で輸送し、現地で合体できるため、ゾイドの補給が困難なゲリラ戦に適しており、第二次大陸間戦争では共和国残存部隊「ヘリック・クルセイダーズ」の主力として重宝されました。共和国軍におけるブロックスゾイドは、SSゾイドの延長線上に位置し、既存ゾイドの個体数を補完する役割も担っています。

機体構造

コンピュータシステム: ブロックスゾイドの頭部パーツには、合体や組み替えを制御するコンピュータが内蔵されています。
ゾイドコアブロック: 人工ゾイドコアで、1個につき小型野生ゾイド1個分のパワーを持ちます。ゾイドコアは一部を除き人工のものが使用され、データ化されたゾイドの遺伝子情報をバイオコンピュータで統率します。遺伝子情報のプログラムは組み合わせによっては闘争本能が目覚め制御不能に陥ることから、そうした因子を持つ情報には「キメラ」というプロテクトが施されています。後にこのプロテクトを解除し、二種類以上の生物的特性を持ったキメラブロックスも開発されました。
ネオコアブロック: サビンガ、パラブレード以降のブロックスゾイドに導入されたコアブロックで、基本パワーが強化されています。
システムブロック: ゾイドブロックスのボディを形成するブロックで、武装パーツなどを装着できます。陸・海・空の3種類が存在します。
TB8: 8連トランスフォームブロックと呼ばれる新型人工ゾイドコアの一種で、ブロックスの変形機構をスムーズに行える特性を持ちます。それ自体が変形機構を持ち、通常ゾイドクラスの出力を誇ります。ディメトロプテラ、レオゲーター、ブラキオレックスに採用されました。

チェンジマイズ

ブロックスゾイドに導入された変形・合体機構です。パーツ各部にマグネッサーシステムを導入しており、通常ゾイドよりも迅速な武装変更が可能です。整備施設が貧弱な最前線でも武装や形態の変更ができ、変形によって陸戦型から飛行型へ対応できます。ゾイドブロックス同士の合体により性能が向上しますが、操縦性も悪化します。

コンビネーション・デュプレックス: ダブルアームリザードのような2体合体形態です。
コンビネーション・クアドロ: マトリクスドラゴンのような4体合体形態です。
コンビネーション・アミガー: ブロックスゾイドが通常ゾイドの武器となる形態です。通常ゾイドを強化する歩く武器庫として機能します。

代表的なブロックスゾイド

ウネンラギア: 格闘性能を重視したレオブレイズに対し、射撃性能を重視したブロックス。中・近距離戦に強く、小型ゾイドを圧倒する格闘性能を持ちます。
エヴォフライヤー: ディスペロウ同様、凱龍輝をサポートするために開発されたミクロラプトル型ブロックスゾイド。陸戦タイプから飛行形態に変形できます。陸戦・空戦双方で活躍しますが、生産コストが高いという課題があります。
カノンダイバー: ロードゲイルのような大型キメラブロックスに対抗するため、強力な火器を装備したレオストライカーの支援機。ウミガメ型で、甲羅部分はシェルカーンから遺伝子情報を抽出して作り出されました。
ジェットファルコン: 第二次大陸間戦争末期に登場したハヤブサ型の大型飛行ブロックスゾイド。ライガーゼロとの合体によりライガーゼロファルコンとなります。ネオゼネバス帝国のエナジーライガーとの合体を前提に開発されましたが、同社への反発から共和国に提供されました。
ディスペロウ: 突撃戦用で、エヴォフライヤーと共に凱龍輝をサポートするために開発されたバッファロー型ブロックスゾイド。標準モード、砲撃モード、格闘モードに変形します。
レオゲーター: ライガーモードとアリゲーターモードに変形可能なブロックスゾイド。TB8を採用し、通常ゾイド核並みの出力と生産コストを両立しています。陸戦・水中戦で活躍します。
レオストライカー: キメラブロックスに対抗するために開発されたレオブレイズの後継機。格闘戦形態のアルティメットモードと砲撃戦形態のガンナーモードに変形できます。
レオブレイズ: 過去の共和国ライオン型ゾイドのデータが豊富なことから開発されたブロックスゾイド。高速走行能力を生かした格闘戦を得意とします。

ブロックスゾイドは、その多様な機体構造とチェンジマイズによる戦術の変化により、ゾイドシリーズに新たな戦略性をもたらしました。

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