ブロディア (コンピュータゲーム)

『ブロディア』：PCエンジンを彩ったカメレオンボールのパズルゲーム

1990年2月23日、ハドソンよりPCエンジン用ソフトとして発売された『ブロディア』(BLODIA)は、シンプルながらも奥深いパズルゲームとして多くのプレイヤーを魅了しました。北米では『Timeball』のタイトルでリリースされています。

ゲームの目的とルール

プレイヤーは、画面上に配置されたパイプを、カメレオンボールを操作して全て通過させることが目的です。ボールは上下左右にしか移動できません。行き止まりに遭遇したり、パイプから落下させたりするとゲームオーバーとなります。1マスのみ存在するブラックピースを中心に、周囲のピースを動かすことでボールの進路を調整し、ゴールを目指します。IIボタンでボールを加速させることも可能ですが、一度加速させると停止させることはできません。

『ディアブロ』からの系譜

『ブロディア』のルーツは、1988年にブローダーバンドジャパン（ブローダーバンドの日本法人）からPC-88SR、PC-98、X1、X1 Turbo向けに発売された『ディアブロ』にあります。翌年にはMSX2版もリリースされています。『ブロディア』は『ディアブロ』のゲーム性を継承しつつ、PCエンジンの性能を活かしたグラフィックとサウンドで生まれ変わりました。タイトルの『ブロディア』は『ディアブロ』のアナグラムであり、その関係性が伺えます。

多様なゲームモードとキャンペーン

『ブロディア』は単なるパズルゲームにとどまらず、様々な要素が盛り込まれています。

START GAME: 100レベルあるステージの中から選択してプレイできます。各エリア4レベル構成で、最終レベルをクリアすると次のエリアが開放されます。初期状態では15レベルまでプレイ可能です。
SET STATUS: プレイヤー名（最大6文字）を入力したり、カメレオンボールの速度を4段階から選択できます。
MUSIC: ゲーム中のBGMを3種類から選択できます。
EDIT: オリジナルのステージを作成できるモードです。PCエンジンの外部バックアップユニットである「天の声2」や「CD-ROM²」を接続すれば、作成したステージを保存できます。
* PASSWORD: クリアしたステージのパスワードを入力することで、続きからプレイできます。「天の声2」や「CD-ROM²」接続時は自動保存されるため、パスワードは不要になります。

さらに、発売を促進するためのキャンペーンとして「ブロディアWチャンスキャンペーン」が実施されました。クイズに答える応募で、NEC製テレビやガンヘッドスペシャルバージョンなどが抽選で当たります。また、レベル99クリアパスワードを送付する「パスワードチャンス」キャンペーンも展開され、『桃太郎活劇』やハドソンオリジナルテレホンカードがプレゼントされました。

移植版と評価

『ブロディア』はPCエンジン版以外にも、同年にX68000版、ゲームボーイ版が発売されました。トンキンハウスからは、RPG要素を追加したファミコン版『ブロディアランド』もリリースされています。

各機種の評価は、ゲーム誌のレビューや読者投票によって異なっています。PCエンジン版は高い評価を得ていますが、移植版ではその評価が異なる結果となっています。

まとめ

『ブロディア』は、シンプルながらも奥深いゲーム性と、様々な追加要素、そして積極的なキャンペーン展開によって人気を博したPCエンジンを代表するパズルゲームの一つです。『ディアブロ』という前身作品の存在、そして様々な機種への移植など、その歴史も興味深い作品と言えるでしょう。 現在でも根強いファンを持つ『ブロディア』は、往年の名作として語り継がれています。

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