ブロード・ストリート (マンハッタン)

ブロード・ストリート：ニューヨーク金融街の歴史と現在

ブロード・ストリートは、ニューヨーク市マンハッタン区、ロウアー・マンハッタンの金融街を南北に走る通りです。南はサウス・ストリート、北はウォール・ストリートに接続し、その先はナッソー・ストリートへと名前を変えてスプルース・ストリートまで続いています。

歴史：運河から金融街へ

ブロード・ストリートの起源は、17世紀のニューアムステルダム時代に遡ります。元々は「ブロード・キャナル（広い運河）」と呼ばれる運河であり、イースト川からマンハッタン島への入り江を整備したものでした。しかし、運河沿いの露天商人がゴミを放置したことで水路が狭まり、船の通行が困難になったため、1676年に埋め立てられました。その後、運河跡地は通りとなり、「ブロード・ストリート」と呼ばれるようになりました。ブロード・キャナルは、マンハッタンとブルックリンを結ぶ最初のフェリーの発着場所でもありました。

オランダ、イギリス統治時代を経て、アメリカ独立後もブロード・ストリートは変化を続けました。18世紀には書店などが軒を連ねていましたが、1835年のニューヨーク大火によって初期の歴史的建造物の多くが焼失しました。その後、金融活動の中心地として発展するにつれて、小さな建物は壮麗な銀行へと建て替えられていきました。現在残る建物の多くは1900年前後のものですが、1950年以降に建てられた比較的新しい建物も見られます。

建築物：金融街のランドマーク

ブロード・ストリートには、数多くの歴史的建造物やランドマークが立ち並んでいます。

ニューヨーク証券取引所 (18 Broad Street): 新ローマ様式の壮麗なファサードが特徴的な建物で、金融街の象徴的な存在です。
23 Wall Street & 15 Broad Street: かつてのJPモルガンの本社ビル。現在は高級コンドミニアムとして利用されています。
ブロード・エクスチェンジ・ビルディング (25 Broad Street): 歴史的な取引所の建物。
アメリカン・バンク・ノート・カンパニー・ビルディング (70 Broad Street): かつて紙幣を印刷していた建物。
* 1 & 2 New York Plaza: 通りの南端に位置する高層ビル。

これらの建物は、ブロード・ストリートの歴史と金融街としての重要性を物語っています。

交通：地下鉄駅

ブロード・ストリートとウォール・ストリートの角には、ニューヨーク市地下鉄BMTナッソー・ストリート線のブロード・ストリート駅があります。J系統とZ系統が利用でき、周辺地域へのアクセスに便利です。

ブロード・ストリートは、ニューヨークの金融史を体現する通りであり、現在も金融の中心地としての役割を果たし続けています。

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