ブローニングM1918自動小銃

ブローニングM1918自動小銃（Browning M1918 Automatic Rifle）

ブローニングM1918自動小銃は、アメリカ合衆国において1917年に設計され、20世紀を通じて多くの国で導入された自動火器です。通称BARと呼ばれ、アメリカ軍の歩兵分隊において重要な役割を果たしました。今日でも兵器設計の名作として評価されています。

設計と特徴

この銃は、フルオートおよびセミオート射撃の切り替えが可能であり、そのために歩兵支援に特化した火器としての性質を持っています。特に、その軽量なデザインにより、歩兵分隊が容易に携行できることから、分隊支援火器としての地位を確立しました。

ブローニングM1918は、ガスオペレーション方式を採用し、空冷と弾倉装弾式が特徴です。主に.30-06（7.62x63mm）口径の弾薬を使用し、無装填時の重さは7.3−8.6kg、20発装填可能な弾倉を持っています。作動メカニズムはオープンボルト式で、ガス圧を利用したボルト閉鎖機構を採用しています。セレクターレバーを使うことで、安全・セミオート・フルオートのモードを選択可能です。

歴史的背景

第一次世界大戦において、アメリカ合衆国が参戦した際、軍には十分な数の現代的な火器がありませんでした。特に軽機関銃が不足しており、これに対処するためにブローニングは自動小銃の開発を急がせました。1917年に設計されたこの自動小銃は、1918年に正式に採用されました。

最初の実戦投入は、1918年9月のムーズ・アルゴンヌ攻勢によるもので、ここでBARはその性能が高く評価されました。しかし、配備は一部の部隊に限られ、全軍への普及には至りませんでした。戦争が終結するまでに52,238丁が出荷され、1919年末には104,125丁に達したとされています。

第二次世界大戦とその後

第二次世界大戦中にも、BARは重要な火器として利用されました。アメリカ軍の各部隊では広く搭載され、その後の朝鮮戦争でも使用されました。しかし、ベトナム戦争においては、その重量やサイズがネックとなり、好まれなかったという報告もあります。アメリカ軍の特殊部隊では、山岳民族の民兵に供給されるなどの使用例もありました。

BARの設計は時が経つにつれて古臭くなり、1950年代には新型のM14小銃やM60機関銃に取って代わられ、次第に姿を消していきました。しかし、いくつかの国では1990年代まで使用されていた例もあります。

結論

ブローニングM1918自動小銃は、その設計や技術が先進的であったため、長年にわたって様々な戦争で重宝されました。BARの概念は他の武器設計にも影響を与え、後の自動火器の発展に寄与したことは疑いありません。今日でも、その歴史や技術が評価され、軍事史に名を刻む銃器として知られています。

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