ブローム・ウント・フォス P.170

ブローム・ウント・フォス P.170

ブローム・ウント・フォス P.170は、第二次世界大戦中にドイツ空軍のために計画された三発の高速爆撃機です。この飛行機は1942年、設計者リヒャルト・フォークトによって生まれました。独特な外観を持ちながらも、P.170は対称性を保った典型的な航空機の構造を有しており、他の当時のブローム・ウント・フォスのプロジェクトとは異なる印象を与えています。

設計と構造

P.170の胴体は円筒形で、中央の軸上にエンジンが搭載されています。コックピットは機体の後部に位置しており、側翼の端にはさらに二基のエンジンが取り付けられています。これらのエンジンのプロペラは互いに反対方向に回転し、機体の運動性能を向上させる役割を果たしていました。搭載されていたのはBMW 801Dエンジンで、最大限のパフォーマンスを引き出す設計になっています。

この機体は、2,000リットルの燃料を搭載するための分割型燃料タンクを備えており、航続距離を確保しています。ただし、P.170はナチスのプロパガンダによって強調された「シュネルボンバー」というアイデアに基づいて設計されたもので、敵の戦闘機よりも優れた速度を持つとされたため、防御武装を施すことは無用とされていました。

開発の経緯

このように進められたデザインですが、最終的には他の戦争関連のプロジェクトが優先され、またターボジェット機が台頭してくる中で、その技術的な可能性が示されたことにより、ブローム・ウント・フォス P.170は生産へと至ることはありませんでした。これに伴い、本機は実際には試作段階にも進むことなく、設計図の段階で消えていくこととなりました。

諸元

ブローム・ウント・フォス P.170は、以下のような具体的なスペックを持っています。

• - 乗員: 2名
• - 全長: 14.3m
• - 全幅: 16m
• - 全高: 3.65m
• - 翼面積: 44平方メートル
• - 空虚重量: 9,100kg
• - 全備重量: 13,300kg
• - 燃料容量: 2,800リットル
• - エンジン: BMW 801D エンジン3基

性能

この機体の性能については以下の通りです。

• - 最高速度: 820km/h
• - 航続距離: 2,000km
• - 過荷航続距離: 2,500km
• - 実用上昇限度: 11,650m

兵装

防御兵装は持たなかったP.170ですが、以下のような爆弾を搭載可能でした。

• - SC 1000爆弾1発
• - SC 500爆弾2発
• - SC 250爆弾4発

関連項目

• - Ju 88 (航空機)

この記事では、ブローム・ウント・フォス P.170の特徴や背景について詳しく説明しましたが、この機体は最終的には製造には至らず、歴史の中に埋もれてしまったユニークな存在と言えるでしょう。

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