プエルト・マルドナド

プエルト・マルドナド

プエルト・マルドナドは、ペルーの南東部に位置する都市で、ボリビアとの国境から西に約55kmのところにあります。この都市はマドレ・デ・ディオス県の県都であり、アマゾン川の支流であるタンボパタ川とマドレ・デ・ディオス川が合流する地点に立地しています。この地域は、非常に原始的な熱帯雨林に囲まれ、自然環境が豊かで、多様な動植物が生息しています。周辺にはマヌー国立公園、タンボパタ国立保護区、バワハ＝ソネネ国立公園などがあり、それぞれ独特の自然風景や生態系が保護されています。特に「土沢」と呼ばれる場所では、数百種の鳥が集まる光景が見られます。

歴史

プエルト・マルドナドの歴史は1901年に遡ります。当時、ペルー政府は国内の熱帯雨林を探検するための委員会を設置し、ドン・フアン・ビジャルタ率いる探検隊がタンボパタ川を遡上しました。この探検隊は1902年にタンボパタ川とマドレ・デ・ディオス川の合流点に到達し、そこをファウスティノ・マルドナドにちなんでプエルト・マルドナドと名付けました。1912年にはマドレ・デ・ディオス県が設立され、プエルト・マルドナドは県都に指定されました。そして、1985年には市制が施行され、現在に至ります。

気候

プエルト・マルドナドは熱帯のアマゾン盆地に属し、年間を通じて温暖で湿潤な気候です。平均気温は約26度で、最も暑い時期は8月から9月にあたります。この地域の降水量は年間1000mmを超え、特に10月から4月にかけては雨季となります。市街はほとんど傾斜地に建設されているため、洪水のリスクは少ないですが、雨季はしばしば陸路が通行止めになることがあります。乾季は6月から8月にかけて訪れ、気温も安定しています。ただし、時折南風が吹くと、数日間の間に気温が8度ほど下がることがあり、地元の人々はこの現象を「スラソ」または「フリアヘ」と呼んでいます。

産業

プエルト・マルドナドの主要産業には、木材伐採、砂金採掘、ブラジルナッツの栽培、造船、エコツーリズムがあります。しかし、地域内の林業はほぼ尽きてしまい、残る工場も限られています。ブラジルナッツ産業は、EUの規制により多くの企業が倒産し、数百人が職を失いました。砂金採掘は主に男性の小規模なチームによる手作業で行われ、最近では観光業やそれに関連する造船業が重要な収入源として注目されています。観光地にはエコロッジも多く設置されています。

交通

かつてプエルト・マルドナドへの交通は渡し舟に依存していましたが、現在は橋が整備されています。しかし、交通渋滞が深刻です。また、ガソリン価格が高いため、オートバイが主な移動手段とされています。空路ではパードレ・アルダミス国際空港を利用することができます。

大洋間高速道路

プエルト・マルドナドは、ブラジルの河港とペルーの太平洋岸を結ぶ大洋間高速道路の重要な渡河点として位置付けられています。この高速道路計画には722mの橋が含まれ、工事は過去に財政的理由で中断されましたが、2012年に開通しました。地域では森林伐採による環境問題も提起されており、NGO団体などからは違法行為や現地住民との衝突の懸念が指摘されています。

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