プサルタリー

プサルタリー（英語：psaltery）は、木箱に24本のピアノ線を張った楽器を指します。ギリシャ語では、プサルテリオン(psalterion)と呼ばれます。

歴史

その語源は、「指で弾く」という意味のギリシャ語「Psallein」に由来し、元々はハープを指す言葉でした。その後、「Psalterion」という名称は聖書、特に詩編に登場するようになります。詩編の中の57編には、リラの伴奏で歌う賛歌を意味する「Psalmos」という言葉が用いられており、プサルテリオンが詩編の伴奏楽器として用いられたと考えられています。

プサルテリオンは時を経て、様々な楽器へと発展していきました。18世紀までには、ハンマーで叩いて音を出す打楽器「ダルシマー」や、鍵盤機構を備えた鍵盤楽器「ハープシコード」などが派生しました。これらの楽器は、プサルテリオンの原理を応用し、より複雑で豊かな音楽表現を可能にしたと言えるでしょう。

20世紀に入ると、プサルテリオンは古い音楽の演奏のために再び注目を集めるようになります。1930年代には、ドイツのエトガル・シュターマーによって、弓で弾く様々な大きさのプサルテリオンが考案されました。これらの楽器は、従来のプサルテリオンのイメージを覆し、より多様な音楽表現を可能にしました。シュターマーによるプサルテリオンの改良は、現代におけるプサルテリオンの復興に大きく貢献したと言えるでしょう。現在では、様々な種類のプサルテリオンが製作され、古楽演奏や現代音楽など、幅広いジャンルで使用されています。

プサルタリーは、その長い歴史の中で、様々な形態や奏法を持つ楽器へと進化してきました。その起源は古代ギリシャに遡り、聖書の詩編の伴奏楽器として用いられたことから、西洋音楽の歴史において重要な役割を果たしてきたと言えるでしょう。また、ダルシマーやハープシコードといった楽器の祖先としても、その影響は計り知れません。現代においては、古楽演奏や現代音楽など、幅広いジャンルで使用されており、その多様な表現力は多くの音楽家たちを魅了し続けています。

プサルタリーは、単なる楽器としてだけでなく、音楽の歴史や文化を象徴する存在としても、その価値を認められています。今後も、その独特な音色と歴史的背景を通じて、多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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