プシェミスワフ (ラチブシュ公)

プシェミスワフ：ラチブシュ公の生涯

プシェミスワフ（Przemysław raciborski, 1268年6月12日 - 1306年5月7日）は、13世紀後半のポーランド、シロンスク地方に位置するラチブシュ公国の公爵です。1282年から1306年までラチブシュ公として在位し、初期は兄ミェシュコ1世と共同で統治を行いました。プシェミスワフは、オポーレ＝ラチブシュ公ヴワディスワフの四男として生まれ、母はヴィエルコポルスカ公ヴワディスワフ・オドニツの娘エウフェミアです。

生涯

1282年に父ヴワディスワフが亡くなると、プシェミスワフは長兄のミェシュコ1世と共に、ラチブシュ、チェシン、オシフィエンチムの地域を相続しました。1285年、プシェミスワフは、他の2人の兄と共に、ヴロツワフ公ヘンリク4世と対立していたヴロツワフ司教トマシュ2世ザレンバを支援し、司教をラチブシュに匿いました。この支援が原因で、1287年にはヘンリク4世による報復を受け、ラチブシュは包囲され、ヴロツワフ軍によってほぼ壊滅的な被害を受けました。

1290年、ラチブシュ公国はプシェミスワフとミェシュコ1世の間で分割されることになりました。プシェミスワフはラチブシュを保持し、ミェシュコ1世はチェシンとオシフィエンチムを獲得しました。1291年、プシェミスワフは2人の兄と共にボヘミア王ヴァーツラフ2世に臣従しました。これにより、プシェミスワフはボヘミア王の封臣として扱われることになったと考えられています。

内政面では、プシェミスワフは重要な事業を2つ行いました。1299年に公国の首都であるラチブシュに都市特権を付与し、都市の発展を促進しました。また、ラチブシュにドミニコ会修道院を建設し、宗教と文化の中心地としての役割を強化しました。

プシェミスワフは1306年5月7日に37歳という若さで亡くなり、ラチブシュの聖ヤクプ修道院に埋葬されました。

子女

1291年、プシェミスワフはマゾフシェ公爵家の一員であるチェルスク公コンラト2世の娘アンナと結婚しました。アンナは1270年頃に生まれ、1324年以降まで生きていたとされています。夫妻の間には、3人の子供が生まれました。

レシェク（1292年頃 - 1336年）
アンナ（1292年/1298年 - 1340年） - オパヴァ公ミクラーシュ2世と結婚
* エウフェミア（1299年 - 1359年1月17日）

プシェミスワフの死後、一人息子のレシェクが父の領国のほぼ全域を相続しましたが、ヴォジスワフ・シロンスキのみは公爵未亡人アンナが寡婦領として入手しました。

プシェミスワフは、短い生涯の中で、ラチブシュ公国の発展に大きく貢献しました。ヴロツワフ司教の支援、都市特権の付与、修道院の建設など、彼の政策はラチブシュの歴史に深く刻まれています。

もう一度検索