プジョー・304

プジョー・304（Peugeot 304）

プジョー・304は、1969年から1980年にかけてフランスの自動車メーカーであるプジョーによって生産された小型乗用車です。この車両は、当時注目を集めていた1300ccクラスの市場に向けて設計され、パリ・サロンで初めてお披露目されました。304は、1965年に発表された204の上級モデルとして位置付けられています。

概要

プジョー・304は、そのデザインと性能から多くの支持を受け、上級大衆車としての地位を確立しました。204の特徴を引き継ぎつつ、フロントデザインは504を意識したスタイルに変更されており、エンジンも1.3Lにサイズアップしています。さらに、全長は10cm延長され、トランクスペースが広がりました。ホイールベースやトレッドは204と共通ですが、ボディデザインはピニンファリーナによるものです。

1972年には、新たに5ドアワゴンのトリム「ブレーク」が追加され、これも204に基づいています。1973年にはマイナーチェンジが行われ、リアコンビランプが大きくなり、74.5PSのツインキャブレターエンジンを搭載した「304S」が新たに登場しました。また、204が1977年に生産中止となった後、同じ1,100ccと1,400ccのディーゼルエンジンを搭載したモデルも追加されました。

クーペとカブリオレ

プジョー・304には、セダン（ベルリーヌ）とワゴン（ブレーク）の他に、デザインがピニンファリーナによる2+2ハッチバッククーペと2座カブリオレも存在します。これらは204を基にしたもので、1970年には204のクーペ・カブリオレのフロントが変更され、エンジンが1,300ccに拡大しました。これにより、204クーペ・カブリオレは消滅し、304のクーペとカブリオレが新たに生まれました。

クーペは、ベルリーヌよりもホイールベースが短く全長が約20cm短い仕様で、サイズは全長3,760mm、全幅1,570mm、全高1,430mmとなっています。1973年には「304S」が追加され、カブリオレはその後もS仕様が利用されていましたが、1975年に生産が終了しました。

日本での販売状況

当時、日本におけるプジョーの輸入はごくわずかで、304は正規に輸入されることはありませんでした。そのため、日本市場では304を目にする機会は少なく、現地の消費者にはほとんど知られていないモデルとなりました。

結論

プジョー・304は、1969年から1980年までの約11年間にわたり、世代を超えた人気を誇った小型乗用車です。デザインや性能に工夫が施され、バリエーション豊かなモデル展開も魅力の一部でした。その歴史は、プジョーの自動車業界における重要な位置を占めています。

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