プスコフ県

プスコフ県は、帝政ロシア（後のロシア・ソビエト連邦社会主義共和国）に存在した県であり、その行政中心地はプスコフ市でした。1772年に成立し、ソ連成立後の1927年に廃止され、レニングラード州の一部となりました。

歴史

前史

プスコフは、1510年にモスクワ大公国に併合されるまで、プスコフ公国の首都でした。1708年、ピョートル1世はロシア領を8つの県に区分し、プスコフ県域はインゲルマンランディヤ県に含まれました。その後、1710年に同県はサンクトペテルブルク県に改称されました。1719年にサンクトペテルブルク県には11のプロヴィンツィヤが設置され、その一つがプスコフ・プロヴィンツィヤでした。プスコフ・プロヴィンツィヤには、プスコフ、グドフ、イズボルスクなどを含む郡が設置されました。1727年、サンクトペテルブルク県からノヴゴロド県が分離すると、プスコフ・プロヴィンツィヤはノヴゴロド県の管轄となりました。

帝政ロシア期

1772年、第一次ポーランド分割によって帝政ロシア領が拡大し、プスコフ・プロヴィンツィヤ、ヴェリーキエ=ルーキ・プロヴィンツィヤに、ドヴィナ・プロヴィンツィヤ、ポロツク・プロヴィンツィヤを加えたプスコフ県が発足しました。県都は当初オポーチカに置かれました。同年末には、ヴィテプスク・プロヴィンツィヤが編入されました。

1776年の第二次ポーランド分割後、プスコフ県南部がポロツク県として分離し、ノヴゴロド県からポルホフ郡、グドフ郡が編入されました。この際、県都はプスコフに移されました。

1777年、エカテリーナ2世の行政改革により、プスコフ県はプスコフ・ナメストニチェストヴォと改称され、10郡（ヴェリーキエ・ルーキ郡、グドフ郡、ルーガ郡、オポーチカ郡、ポルホフ郡、プスコフ郡、ノヴォルジェフ郡、トロペツ郡、ホルム郡）に整理されました。その後、1781年にグドフ郡、ルーガ郡がサンクトペテルブルク県に編入され、翌年にはペチョールィ郡が新設されました。

1796年、ナメストニチェストヴォ制が廃止され、再びプスコフ県が設置されました。この際、ペチョールィ郡、ノヴォルジェフ郡、ホルム郡が廃止・統合されましたが、1802年にノヴォルジェフ郡、ホルム郡は再設置されました。最終的にプスコフ県は8郡となり、帝政ロシア崩壊まで変更はありませんでした。

ソビエト連邦期

1917年の十月革命後、バルト三国が独立したことで、1920年にプスコフ県の西部はエストニア、ラトビア領となりました。1924年にヴィテプスク県からヴェリジ郡、ネヴェリ郡、セヴェジ郡が編入しました。この改編後のプスコフ県の面積は5,1716平方キロメートル、1926年時点で人口は178万8418人でした。1918年4月、プスコフ県は他の7県と共に北部州共産自治体連合の行政下位区分となりましたが、この行政単位は1919年に廃止されました。

1927年、プスコフ県はレニングラード州に統合される形で廃止されました。

このように、プスコフ県は帝政ロシア時代からソビエト連邦時代にかけて、幾度かの行政区画の変遷を経験しました。その歴史は、この地域が様々な勢力の交差点であったことを示しています。

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