プロヴィンツィヤ

帝政ロシアにおいて1719年から1775年にかけて用いられた行政単位であるプロヴィンツィヤについて解説します。

プロヴィンツィヤの成立

プロヴィンツィヤは、1719年5月29日にピョートル1世によって公布・施行されました。当時、帝政ロシアは9つのグベールニヤ（県）に区分されていましたが、その下位区分としてプロヴィンツィヤが設置されました。1720年までにはグベールニヤは11県に増加し、それに伴いプロヴィンツィヤの総数は45（後に50）にまで増加しました。

プロヴィンツィヤの下位区分として、1719年にはスウェーデンの制度を参考にしてジストリクト（管区）が設けられ、地方貴族から選出されるゼムスキー・コミッサール（地方監察官）が配置されました。しかし、ジストリクトは1727年にはウエズド（郡）に改組されました。

プロヴィンツィヤの廃止

1775年11月7日には、プロヴィンツィヤの廃止が決定されました。その後、1780年代にかけて各県内のプロヴィンツィヤの改組が進められました。これにより、プロヴィンツィヤという行政区分は歴史から姿を消しました。

プロヴィンツィヤの語源と現代での使われ方

プロヴィンツィヤの語源はラテン語のprovinciaです。現代ロシア語では、古代ローマの属州や、現代の各国における上位行政区画（国の直下の行政区分）に対して、プロヴィンツィヤの訳語が用いられることがあります。

具体的には、中国の省、タイのチャンワット、イラクなどのムハーファザ、あるいは各国のプロヴィンス（英語: province）などが挙げられます。

また、プロヴィンツィヤの下位区分であったジストリクトは、英語のディストリクト（district）に対応し、現代ロシア語ではアメリカやイギリスなどにおける選挙区や裁判区などの区分名として使われています。

このように、プロヴィンツィヤは帝政ロシアの行政区画として歴史的な役割を果たしただけでなく、その言葉自体が現代にも受け継がれ、異なる意味合いで使われていることがわかります。この言葉の変遷をたどることで、歴史的背景や文化的なつながりを理解する一助となるでしょう。

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