プライド・カムリ

プライド・カムリ：ウェールズの独立を目指す政党

プライド・カムリ（Plaid Cymru、ウェールズ語で「ウェールズ党」の意）は、イギリス・ウェールズを拠点とする地域政党です。ウェールズの独立を究極の目標として掲げ、現在もその実現に向けて活動を続けています。

1925年に結成されたプライド・カムリですが、イギリス下院で議席を獲得したのは1966年と、比較的遅く、その後も議席数は限られてきました。しかし、ウェールズ議会においては、60議席中14議席を占めるなど、無視できない存在感を示しています。また、欧州議会にも議席を有しています。

プライド・カムリの政策は、ウェールズ独立とウェールズ民族主義を基軸としています。同時に、民主社会主義や社会民主主義といった左派的なイデオロギーも採り入れており、その政治的スタンスは左寄りであると言えるでしょう。

イギリス下院は小選挙区制であるため、議席獲得が難しく、現状では5議席以下と低調です。一方、ウェールズ議会は小選挙区比例代表併用制であるため、比例代表での議席獲得により、より大きな影響力を行使できる仕組みとなっています。

欧州議会においては、欧州緑グループ・欧州自由連盟に所属し、欧州レベルでの連携も図っています。

プライド・カムリの党首経験者の中には、ウェールズ自治政府の要職を担った人物もいます。例えば、元党首のイェイアン・ウィン・ジョーンズ氏は副首相を務めました。こうした経験は、党の政策実現に向けた活動に役立っていると言えるでしょう。

2016年のEU離脱国民投票の結果を受け、当時の党首リアーン・ウッド氏は、EU残留を訴え、ウェールズ独立の動きを加速させることを表明しました。この表明は、EU離脱という大きな変化の中で、ウェールズの独自性を追求するプライド・カムリの強い意思を示すものだったと言えるでしょう。

プライド・カムリは、スコットランド国民党と協力関係を持つことも多く、イギリスにおける地方分権や独立運動において、重要な役割を果たしています。両党は、ウェールズとスコットランドという地理的な近接性だけでなく、独立志向という共通の理念によって結びついています。

近年、ウェールズの自治権拡大を求める声が高まる中、プライド・カムリの活動はますます注目を集めています。ウェールズの未来を左右する重要な政治勢力として、プライド・カムリの動向から目が離せません。今後、ウェールズ独立という目標に向け、どのような戦略を展開していくのか、注目すべき点です。

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