プライバシーモード

プライバシーモードとは

プライバシーモード（またはプライベートブラウジングモード）は、ウェブブラウザに搭載された機能で、閲覧履歴やCookieなどの情報を自動的に削除し、プライバシーを保護します。この機能は、ウェブサイト閲覧後に履歴やキャッシュなどのデータを残さないため、第三者による閲覧履歴の追跡を防ぐ効果が期待できます。ただし、匿名性を提供するものではなく、ウェブサイト側には利用者のIPアドレスなどの情報が伝わる点に注意が必要です。

プライバシーモードの仕組み

通常のブラウジングでは、ウェブサイトの閲覧履歴、画像、テキスト、動画などがキャッシュに保存されます。プライバシーモードでは、これらの情報をセッション中に限り保存を無効化します。つまり、閲覧したウェブサイトのデータやCookieは保存されず、閲覧を終えると自動的に削除されます。これにより、フィルターバブルや行動ターゲティング広告など、ウェブ上での追跡をある程度回避できます。

しかし、一部のプラグイン（Silverlightなど）ではCookieが保持される場合や、ウェブサイト側がプライバシーモードでの接続を認識できる場合があります。また、企業や学校などのネットワーク環境では、閲覧履歴が別の場所に記録されることもあります。そのため、プライバシーモードを利用しても、完全にプライバシーが守られるわけではありません。

プライバシーモードの注意点

プライバシーモードは、匿名性を提供するものではありません。TorやVPNのように、IPアドレスを隠す機能はないため、ウェブサイトには通常のブラウジングと同様に利用者のグローバルIPアドレスが伝わります。プライバシーモードは、あくまでブラウザ上での閲覧履歴を削除し、プライバシーを守るための機能であることを理解しておく必要があります。

各ブラウザでの実装

プライバシーモードは、2005年にSafariに搭載されたのが最初で、その後、多くのブラウザに実装されました。Internet Explorer 8のベータ版にも実装され、一般的になりました。各ブラウザでは、以下のように異なる名称が使われています。

• - Safari：プライベートブラウズ
• - Google Chrome：シークレットモード
• - Mozilla Firefox：プライベートウィンドウ
• - Microsoft Edge：InPrivateブラウズ

また、プライバシーモードの適用範囲もブラウザによって異なり、タブ単位で適用される場合とウィンドウ単位で適用される場合があります。

常時プライベートブラウジングモード

Tor BrowserやOnion Browserは、常にプライベートブラウジングモードで動作します。これらのブラウザは、匿名性を重視しており、より高度なプライバシー保護を提供します。

プライバシーモードのショートカットキー

Mozilla FirefoxとInternet Explorerでは、`Ctrl + Shift + P`のショートカットキーで、プライベートブラウジング/InPrivateブラウズのウィンドウを素早く開くことができます。

関連項目

• - ウェブブラウザ
• - トラッキングクッキー
• - フィルターバブル
• - 行動ターゲティング広告
• - フィルタリングソフト
• - 通信の秘密
• - ノーログポリシー
• - DNS over HTTPS
• - プライバシー重視の検索エンジン

- DuckDuckGo
- Startpage.com
- Qwant

• - Signal
• - Tor
• - VPN
• - プロキシ

脚注

プライバシーモードは、便利でプライバシー保護に役立つ機能ですが、その仕組みと限界を理解した上で利用することが重要です。

外部リンク

• - [Mozilla]]ブラウザにおけるプライベートブラウジングの仕様（英語）：[Mozilla Wiki

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