DuckDuckGo

DuckDuckGo：プライバシーを重視した検索エンジン

DuckDuckGoは、ユーザーのプライバシー保護を最優先とするインターネット検索エンジンです。利用者の検索履歴を記録せず、IPアドレスの保存やユーザー情報の収集も行わない運営方針が特徴です。これにより、ユーザーは安心して検索を利用でき、検索結果のパーソナライズによる「フィルターバブル」にも陥りません。

概要

DuckDuckGoの検索結果は、Yahoo! Search BOSS、ウィキペディア、Wolfram Alpha、Microsoft Bing、Yandexなど、400以上のソースを基に生成されます。また、検索結果の上部に表示されるグレーボックスでは、ウィキペディアなどのクラウドソーシングサイトのデータを用いて、クリックなしで情報を提供しています。さらに、ホームページの検索ボタンから、主要なショッピングサイトや情報サイトへ直接アクセスできます。

DuckDuckGoは、プライバシー保護を重視しており、IPアドレスの保存やユーザー情報の記録を行わず、クッキーの使用も最小限に抑えています。創設者のワインバーグ氏は、「DuckDuckGoは個人情報を収集も共有もしない。これが当社のプライバシーポリシーだ」と明言しています。

検索結果の品質向上のため、ワインバーグ氏はフリーランスライターに記事を執筆させ、低品質なコンテンツを排除しています。また、事実上の広告にすぎないページのフィルタリングも行っています。

2010年8月には、Torを使用した匿名検索を導入し、暗号化されたリレーを通じてトラフィックを匿名化。ワインバーグ氏は「TorとDuckDuckGoを組み合わせることで、エンドツーエンドで検索を匿名化できる」と述べています。

2011年には、Google Chromeの音声検索エクステンションに対応した音声検索機能も発表しました。

!Bang コマンド

DuckDuckGoでは、特定のウェブサイトに直接リダイレクトできる「!Bang」コマンドが利用できます。例えば、Wikipedia内で「DuckDuckGo」を検索したい場合は、「!w DuckDuckGo」と入力します。「!」の後に、指定されたサイトの頭文字やサイト名を入力し、半角スペースを空けて検索ワードを入力することで、目的のサイトに移動して検索できます。

インスタントアンサー

DuckDuckGoには、以下のような便利なインスタントアンサー機能があります。

時計: 「time in 国名」でその国の現在時刻を表示。
タイマー: 「timer」でタイマーウィジェットを表示。時間を指定してタイマーを開始することも可能。
ストップウォッチ: 「stopwatch」でストップウォッチウィジェットを表示。
通貨換算: 「100JPY USD」のように検索すると、通貨換算結果を表示。
電卓: 「calculator」で電卓ウィジェットを表示。直接数式を入力して計算も可能。
QRコード生成: 「qr https://www.wikipedia.org/」や「qr こんにちは」のように検索すると、QRコードを生成。
色見本: 「color red」や「#ffffff」のように検索すると、色のサンプルを表示。

アプリケーションとブラウザ統合

DuckDuckGoは、Android、iOS向けのアプリケーションを提供しており、トラッキングを無効化する機能付きブラウザアドオンも提供しています。また、Google Chrome、Mozilla Firefox、Safari、Vivaldiなど、多くのブラウザでデフォルト検索エンジンとして選択できます。

収益モデル

DuckDuckGoの収益は、Yahoo!-Bing検索同盟ネットワークの広告表示と、AmazonやeBayとのアフィリエイト契約によって得ています。2018年には2500万ドルの利益を上げ、成長率は前年比30%です。

歴史

DuckDuckGoは、ガブリエル・ワインバーグ氏によって設立されました。当初は自己資金で運営されていましたが、現在は広告収入も得ています。検索エンジンはPerlで書かれ、nginxとFreeBSDで動作しています。

DuckDuckGoは、Yahoo! Search BOSSなどの検索APIを主に利用しており、TechCrunchからは「ハイブリッド」検索エンジンと評されています。DuckDuckGoという名前は、ワインバーグ氏が気に入って名付けたもので、特に深い意味はないそうです。

2010年7月、ワインバーグ氏は「DuckDuckGoコミュニティ」というウェブサイトを立ち上げ、ユーザーからのフィードバックや機能要望を収集しました。2011年には初の社員を雇用し、ユニオン・スクウェア・ベンチャーズから投資を受けました。Linux Mint 12のデフォルト検索エンジンにも採用されています。

2012年には、1日あたりの検索件数が150万件に達し、ワシントン・ポストは、DuckDuckGoの月間検索件数が4500万件に増加したと報じました。

2013年には、NSAの個人情報収集活動「PRISM」が発覚した影響で、DuckDuckGoの利用者が急増しました。2015年には、1日あたりの平均アクセス数が1000万件を超えています。

2018年以降は、Vivaldiのプライベートウィンドウの標準検索エンジンに採用され、カナダの年金基金からも資金調達を行いました。

2020年4月には、DuckDuckGoのトラッカーリストが、Vivaldiのトラッカー・広告ブロッカーに採用され、2021年1月には1日あたりの検索クエリ数が初めて1億件を突破しました。

2022年3月、ロシアのウクライナ侵攻を受け、Yandex Searchとの提携を一時停止。また、ロシアの情報操作と関連したサイトをランクダウンさせると発表したところ、一部ユーザーから検閲であるとの批判を受けました。

評価

TIME誌のハリー・マクラッケン氏は、DuckDuckGoを人気ハンバーガー店In-N-Out Burgerに例え、その品質を称賛しています。また、OSNewsのトム・ホルワーダ氏は、プライバシー機能やショートカットを評価し、Googleのトラッキングに対する懸念と合わせて称えています。

2012年、GoogleがDuckDuckGoを競争相手と認識したことを受けて、ワインバーグ氏は「喜びと楽しさを感じる」と述べています。

関連項目

検索エンジンの一覧
Onionドメインの一覧
通信の秘密 - ノーログポリシー
プライバシー重視の検索エンジン
Startpage.com
searX
Qwant
プライバシーモード
トラッキング・クッキー
DNS over HTTPS
Tor
VPN
プロキシ

外部リンク

公式ウェブサイト
公式Torサイト (ヘルプ)
公式ブログ
公式グッズストア
DuckDuckGo (@duckduckgo) - X（旧Twitter）
Reddit - r/DuckDuckGo
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