プラッキーリエージュ

プラッキーリージュ：平凡な競走馬から伝説の繁殖牝馬へ

プラッキーリージュ (Plucky Liège) は、1912年から1937年まで生きたイギリスの競走馬です。競走馬としての成績は輝かしいものではありませんでした。2歳時にデビューし、いくつかの勝利を収めたものの、主要な競走で優勝することはありませんでした。しかし、彼女の真価は繁殖牝馬として発揮されることとなります。

プラッキーリージュの父はスペアミント、母はコンサティーナで、16-a族に属します。当初は「コンサティーナの牝馬」と呼ばれ、後に「ラッキーリージ」と命名されました。第一次世界大戦勃発時、ベルギーのリエージュでドイツ軍との激戦が繰り広げられていたことから、勇敢に戦ったベルギー軍を称え、現在の名である「プラッキーリージュ（勇敢なリエージュ）」と改名されました。

2歳時は6戦4勝とまずまずの成績でしたが、翌年には活躍できず、1000ギニーでも着外に終わり、競走馬としてのキャリアを終えました。

引退後はフランスで繁殖入り。ミケラム男爵の所有でしたが、彼の急死後、ボアルセル牧場に預託され、後にレオン・ヴォルテラによって購入されました。

プラッキーリージュは、25歳で生涯を終えるまでに12頭の産駒を産みました。その産駒たちは、競走馬としてだけでなく、種牡馬としても大きな成功を収め、世界中の競馬界に多大な影響を与えました。

驚異的な産駒たち

プラッキーリージュの産駒たちの活躍は特筆に値します。出走した11頭全てが勝利を収め、6頭がステークスウイナー、2頭がクラシック競走を制覇しました。さらに驚くべきことに、4頭の産駒がイギリス、アメリカ、フランスでリーディングサイアーの栄光を手にしました。

主な産駒には以下の馬がいます。

サーギャラハッド III (Sir Gallahad III): プール・デッセ・デ・プーラン、ジャック・ル・マロワ賞を制覇。アメリカリーディングサイアーにも輝きました。
ブルドッグ (Bull Dog): アメリカリーディングサイアーとなりました。
アドミラルドレイク (Admiral Drake): パリ大賞典を制覇し、フランスリーディングサイアーにもなりました。
ボワルセル (Bois Roussel): エプソムダービーを制覇し、イギリスリーディングサイアーにもなりました。

これらの産駒以外にも、多くの優秀な競走馬を輩出しました。プラッキーリージュの血統は、現代の競馬界にも脈々と受け継がれ、数々の名馬の祖先としてその名を刻んでいます。例えば、ケンタッキーオークス馬Keeper Hill、ベルモントステークス優勝馬Commendable、種牡馬として活躍したFappiano、Ogygian、Honour And Glory、Quiet American、シーザリオ、エピファネイア、トーホウジャッカルなど、その子孫には数々の活躍馬がいます。

結論

プラッキーリージュは、競走馬としては平凡な成績に終わりましたが、繁殖牝馬としては比類なき成功を収めました。彼女の産駒たちは、競馬界に多大な貢献を果たし、その血統は現代においても大きな影響力を持っています。プラッキーリージュは、まさに伝説的な繁殖牝馬と言えるでしょう。彼女の物語は、競走馬の成功が必ずしも競走成績だけではないことを教えてくれます。繁殖牝馬としての能力、そして血統の偉大さを改めて認識させてくれる、感動的な物語です。

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