プラット・アンド・ミラー

プラット・アンド・ミラー：レーシング界のパイオニア

プラット・アンド・ミラー工学製造 (Pratt & Miller Engineering and Fabrication) は、ゲイリー・プラットとジム・ミラーによって1989年に設立された、アメリカ合衆国ミシガン州を拠点とする企業です。レーシングカーの製造・保守からレーシングチームの運営まで、幅広い事業を展開しており、特にコルベット・レーシングの母体として広く知られています。

1999年、シボレー・コルベットC5-Rの開発の中核を担って以来、ゼネラルモーターズ（GM）と緊密に連携。公式レーシングチームとして、数々の輝かしい実績を残してきました。現在では、ウェザーテック・スポーツカー選手権で「コルベット・レーシング」としてシボレー・コルベットC7.Rを、ピレリ・ワールド・チャレンジでは「チーム・キャデラック」としてキャデラックATS-Vを走らせています。

その歴史は、ポンティアックGTO.RやGXP.Rの製造、さらには複数のチームへのシボレー・カマロGT/GS.Rの供給など、多岐に渡ります。GMとのパートナーシップを通じて、プラット・アンド・ミラーは数々の選手権タイトルと主要レースでの優勝を手にしました。

特にコルベット・レーシングは、ル・マン24時間レースで8度のクラス優勝を達成。2001年のデイトナ24時間レースでは総合優勝という快挙も成し遂げ、アメリカン・ル・マン・シリーズ（ALMS）では8連覇という金字塔を打ち立てました。チーム・キャデラックも、2005年のデビューシーズンにスピード・ワールド・チャレンジで優勝、2006年にはプラット・アンド・ミラー製ポンティアックGTO.Rを駆るザ・レーサーズ・グループがロレックス・スポーツカー・シリーズを制覇するなど、成功を収めています。

2006年には、Katech製GMレーシング用小ブロックエンジンLS7.Rが「年間の世界モータースポーツ用エンジン」に選出される栄誉に輝きました。このLS7.Rは、ALMSとル・マン24時間レースのGTS/GT1クラスに参戦するコルベットC5-RとC6.Rに搭載され、その性能の高さを証明しました。2009年以降は、コルベット・レーシングはGT2クラスに参戦カテゴリーを変更し、自社開発エンジンでレースに挑むという新たな挑戦をスタートさせました。その結果、2012年と2013年にはALMSのGTクラスでチームとマニュファクチャラーの両タイトルを獲得するという成果を上げました。

プラット・アンド・ミラーは、レース活動だけにとどまらず、市販車への技術フィードバックも積極的に行っています。シボレー・コルベットC6.Rをベースに開発されたロードゴーイングカー「C6RS」は、Katech製LSエンジンをチューニングした600馬力エンジンを搭載するなど、高いパフォーマンスを誇ります。

さらに、プラット・アンド・ミラーは、1991年に製造されたプロトタイプレーシングカー、イントレピッドRM-1の初期モデル開発にも携わるなど、レーシングカー開発における豊富な経験と技術力を有しています。

主な開発・参戦車両:

イントレピッド・RM-1 (GTP)
シボレー・コルベット C5-R (GTS/GT1)
ポンティアック・GTO.R (Grand-Am GT)
シボレー・カマロ GT (Grand-Am GT)
キャデラック・CTS-V（ピレリ・ワールド・チャレンジ GT）
シボレー・コルベット C6.R (GT1, GT2)
キャデラック・ATS-V.R GT3（ピレリ・ワールド・チャレンジ GT）
シボレー・コルベット C7.R（IMSA GTLM及びLM GTE）
シボレー・コルベット C8.R（IMSA GTLM及びLM GTE）
シボレー・カマロ GT4.R

主な獲得タイトルと優勝:

プラット・アンド・ミラーは、長年にわたる活動で、アメリカン・ル・マン・シリーズ、ピレリ・ワールド・チャレンジ、ル・マン24時間レース、デイトナ24時間レース、セブリング12時間レースなど、数々の主要な選手権とレースで優勝、タイトルを獲得しています。これらの功績は、同社の高い技術力とレースへの情熱を象徴するものです。

もう一度検索